トラブルの典型例
- 境界標が見当たらず、隣地所有者と境界の位置が合意できない
- 隣地所有者が境界の立ち会いを、拒否する・所在不明
- 古い測量図と現況の塀・ブロックがずれている
- 隣地の塀・建物・樹木が境界を越えている(越境)
- 隣地所有者が境界の確認書への、押印を拒否する
- 売却後に買主が隣地所有者と境界で揉めた
境界の問題は感情的な対立に発展しやすく、解決に時間がかかる場合があります。
原因
- 境界標の亡失・移動(工事・災害・経年劣化)
- 古い公図・測量図が不正確(明治時代の測量・精度の低い図面)
- 境界の確認をしていなかった(口約束・暗黙の了解)
- 所有者の代替わりで、過去の合意が引き継がれていない
- 塀・建物・樹木の設置時に境界を確認しなかった
売却時の影響
売却の際、境界が確定していない土地は買主から確定測量を求められることが多くあります。確定測量には、隣地所有者の立ち会いと、確認が必要でトラブルが表面化します。
境界の問題が解決しないと、売却が進まない、価格が下がる、買主が購入をためらうなどの、影響が生じます。売却を決めた段階で境界の状況を早めに、確認しましょう。詳しくは、境界明示義務の項目をご覧ください。
解決の方法
- 土地家屋調査士に調査・測量を依頼し、境界の位置を明らかにする
- 隣地所有者と話し合い、境界を確認して、合意する(筆界確認書)
- 合意できない場合:筆界特定制度を利用する(法務局が筆界の位置を特定)
- 裁判外紛争解決手続き(ADR):土地家屋調査士会の境界問題相談センターなどの、あっせん・調停
- 訴訟(境界確定訴訟):裁判所が境界を確定する
詳しくは、筆界特定制度の項目をご覧ください。
売却を進める方法
境界の問題が解決しない場合でも、売却の方法はあります。
- 現況のまま、売却する(境界は現況有姿とし、買主の了承を得る)
- 買取業者に売却する(買取業者が自社で境界を整理する)
- 境界の確定に時間がかかる場合は売却のスケジュールを調整する
- 隣地所有者に土地を売却する(隣地への売却)
詳しくは、隣地への売却の項目をご覧ください。
予防策
- 日頃から隣地所有者と良好な関係を築く(挨拶・情報共有)
- 境界標の位置・状態を確認し、紛失・破損したら、早めに、復元する
- 塀・建物を新設する際は境界を確認してから、設置する
- 売却前に確定測量・筆界確認書の取得を検討する
- 測量図・境界確認書を保管する
予防が最も費用対効果の高い対策です。
モデルケース:筆界特定制度で解決した例(イメージ)
Hさんは、売却したい土地の境界について、隣地所有者と意見が合わず、確定測量が進みませんでした。土地家屋調査士に相談し、筆界特定制度を利用しました。
約半年で筆界特定書が交付され、境界の位置が明らかになりました。隣地所有者も結果を受け入れ、確定測量が完了し、売却に進めました。法的な手続きが、解決の糸口になった例です。