トラブルの典型例
- 引き渡しから、数か月後に雨漏りが、発覚し、買主が補修費用を請求してきた
- シロアリ被害が見つかり、売主が知っていたかどうかで、争いになった
- 給排水管の漏水が発覚し、買主が契約解除を主張した
- 設備(給湯器・エアコンなど)が故障し、「動作する」と聞いていた、と主張された
- 土地に地中埋設物が見つかり、撤去費用を請求された
- 建物の面積・構造が契約書の記載と異なっていた
いずれも、売却後に発覚し、売主にとって、予期せぬ、負担となります。
原因
- 売主が不具合を知っていたのに、告知しなかった(故意・過失)
- 物件状況報告書・付帯設備表の記載が不十分・不正確だった
- 契約書の特約(責任の期間・範囲)が曖昧だった
- 売主が不具合に気づいていなかった(調査不足)
- 買主・売主の認識の食い違い(口頭の説明と書面の内容のずれ)
- 契約不適合責任の基本的な、理解不足
詳しくは、契約不適合責任の項目をご覧ください。
予防策
- 売却前にインスペクションを実施し、不具合を把握・告知する
- 物件状況報告書・付帯設備表に知っている事実をすべて、正確に記載する
- 契約書で責任の期間(3か月など)・範囲(対象事項)を明確に定める
- 「現状有姿」であること・設備の動作保証をしないことを明記する
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入する
- 修繕の履歴・調査結果・写真などの、証拠を保管する
詳しくは、契約不適合責任への備えの項目をご覧ください。
トラブルが起きたときの対応
- 買主からの連絡内容を記録し、不動産会社に報告する
- 現地を確認し、不具合の内容・原因・発生時期を把握する
- 契約書・告知書・付帯設備表を確認し、責任の範囲に該当するか、判断する
- 必要に応じて、専門家(建築士・弁護士)に相談する
- 買主と協議し、補修・減額などの、対応を検討する
- 合意した内容を書面(合意書)に残す
感情的にならず、事実と契約書に基づいて、対応しましょう。
責任の期間と時効
民法では、買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知する必要があります。個人売主の場合は特約で期間を引き渡しから、3か月などに、短縮するのが、一般的です。
ただし、売主が不適合を知っていたのに、告げなかった場合は特約の期間にかかわらず、責任を問われる可能性があります。また、通知の期間とは別に消滅時効(引き渡しから、一定期間)もあります。詳しくは、専門家に相談してください。
相談先
- 仲介した不動産会社:まず、状況を報告し、対応を相談する
- 弁護士:法的な、判断・交渉・訴訟が必要な場合
- 建築士・インスペクション会社:不具合の原因・修繕費用の専門的な判断
- 宅地建物取引業協会(宅建協会)・全日本不動産協会などの、相談窓口
- 自治体の不動産取引に関する、相談窓口
早めに、専門家に相談することで、被害の拡大を防げます。
モデルケース:告知書の記載が売主を守った例(イメージ)
Fさんは、築30年の戸建てを、売却する際、物件状況報告書に「過去に雨漏りがあり、修繕済み。現在は雨漏りなし」と正直に記載しました。契約書には、責任の期間を引き渡しから、3か月と定めました。
引き渡しから、2か月後、買主から「天井にシミがある」と連絡がありました。調査の結果、告知済みの、過去の雨漏りの、痕跡であり、現在の雨漏りは、ありませんでした。告知書の記載が売主の責任を限定し、トラブルを防いだ例です。