不動産売却のトラブルを避けるために
売却後のトラブルは、事前の準備と、情報の正確な伝達で、多くを防げます。よくあるトラブルと予防策を確認しましょう。
よくあるトラブルと予防策
| トラブル | 原因 | 予防策 |
|---|---|---|
| 契約不適合責任を問われる | 引き渡し後に、契約内容と異なる不具合が見つかる | 知っている不具合を正確に告知し、契約書に責任の範囲を明記する |
| 境界・越境のトラブル | 境界が不明確、越境物がある | 売却前に境界を確認し、越境は覚書で整理する |
| 告知義務違反 | 過去の事故・騒音・近隣トラブルを伝えていない | 知っている事実は、告知書に記載する |
| 手付解除・キャンセル | 契約後の条件の変更や、買主の事情 | 手付解除の期日と、違約金を、契約書で確認する |
| ローン特約による白紙解除 | 買主のローン審査が通らない | 契約前に、買主の資金計画を確認する |
| 囲い込み | 不動産会社が、他社の紹介を断る | レインズの登録状況を確認する |
売主が負う責任と告知義務
契約不適合責任
引き渡した不動産が、契約内容に適合しない場合に、売主が負う責任です。買主は、補修・代金の減額・損害賠償・契約の解除などを求められます。個人が売主の場合は、責任の範囲や期間を、契約で定めるのが一般的です。
告知義務
雨漏り、シロアリ、設備の故障、過去の事故、近隣トラブルなど、売主が知っている事実は、買主に伝える必要があります。知っていて隠すと、契約の解除や、損害賠償を求められるおそれがあります。
トラブルを防ぐ7つの心がけ
不具合は正直に伝える
物件状況報告書・付帯設備表に、わかる範囲で正確に記載します。
契約書を、よく読む
特約、手付解除の期日、違約金を確認します。
境界と越境を確認する
売却前に、確認と、整理をしておきます。
口約束を避ける
取り決めは、必ず書面に残します。
専門家に相談する
法律・税金・登記は、専門家に確認します。
信頼できる会社を選ぶ
説明が丁寧で、デメリットも伝える会社を選びます。
引き渡しまで管理を続ける
契約後も、物件の状態を維持します。
トラブルの原因は「情報の不足」と「確認不足」
売却後のトラブルの多くは、「売主が知っていたのに伝えなかった」「契約書の内容を、よく確認していなかった」という、情報の不足や、確認不足から生じます。裏を返せば、事前に、正確な情報を伝え、書面で確認しておけば、多くを予防できるということです。
とくに重要なのは、物件の状態に関する情報です。雨漏り、シロアリ、給排水管の不具合、地盤の沈下など、売主が知っている事実は、「物件状況報告書」や「付帯設備表」に、正確に記載します。知らなかった不具合については、責任の範囲を、契約書で明確にしておくことが、一般的です。
もうひとつは、契約書の特約です。手付解除の期日、違約金の額、ローン特約の期限、引き渡しの条件など、契約書の細かな条項が、トラブルの際の判断基準になります。内容がわからない箇所は、遠慮せずに、不動産会社に質問しましょう。
契約書で、とくに確認したい項目
- 売買代金と、手付金の額
- 手付解除の期限
- 引き渡しの時期と、条件
- 契約不適合責任の範囲と期間
- ローン特約の内容と期限
- 違約金・損害賠償の規定
- 境界・越境・測量に関する取り決め
トラブルになりやすい例と予防(イメージ)
たとえば、売却後に、買主から「雨漏りがある」と連絡があった場合、売主が、契約前から雨漏りを知っていたのに、伝えていなければ、責任を問われる可能性が高くなります。反対に、雨漏りの事実を告知し、そのうえで、現状のまま売却する契約になっていれば、責任の範囲は、大きく異なります。
つまり、「悪い情報こそ、先に伝える」ことが、結果的に、売主自身を守ることになります。
トラブル予防のチェックリスト
- 物件状況報告書に、正確に記入した
- 付帯設備表の内容を、確認した
- 契約書の特約を、理解した
- 境界・越境の状況を、整理した
- 近隣とのトラブルの有無を、整理した
- 告知すべき事実を、不動産会社に伝えた
- 取り決めを、すべて書面にした
トラブルを招きやすい行動
不具合を、隠す・軽く伝える
契約後に発覚すると、責任を問われます。
契約書を、読まずに押印する
不利な条項を、見逃すおそれがあります。
口頭の約束に、頼る
後で、証明できません。
境界・越境を、放置する
売却後に、隣地とのトラブルになります。
1社の説明だけで、判断する
他社や、専門家にも、確認しましょう。
引き渡し後も、状況を連絡しない
買主とのトラブルにつながります。
トラブルが起きたときの対応手順
事実関係の確認
いつ、何が起きたのかを、整理します。
契約書・資料の確認
契約書や、物件状況報告書の記載を確認します。
不動産会社に相談
仲介した会社に、状況を伝え、対応を相談します。
専門家に相談
必要に応じて、弁護士・調査士などに相談します。
書面で、やり取りを記録
対応の経過を、書面で残します。