隣地への売却とは
隣地への売却とは、売却したい土地を隣接する土地の所有者に購入してもらう方法です。一般の買主を探すのではなく、隣地所有者という、特定の相手に売却します。
隣地所有者にとって、売却される土地は自分の土地と一体で利用できる、貴重な土地です。このため、一般の買主より高い価格を提示してくれる場合があります。
隣地所有者にとってのメリット
- 敷地が広がり、建築計画の自由度が上がる(建ぺい率・容積率の緩和効果)
- 接道義務を満たせる(再建築不可の隣地を取得して、解消)
- 駐車場・庭・増築スペースとして、活用できる
- 境界の問題が解消し、隣地とのトラブルが減る
- 不整形な土地が整形地になり、価値が上がる
これらの、メリットが大きいほど、隣地所有者は高い価格でも、購入する動機があります。
向いている物件
- 再建築不可の土地(隣地と一体で接道を確保できる場合)
- 旗竿地・無道路地(通路部分を隣地が取得して、整形になる場合)
- 狭小地・不整形地(隣地と合わせると、使いやすくなる場合)
- 古い家のある、売れにくい土地
- 調整区域などの、買主が限られる土地(隣地の農家などが、取得できる場合)
詳しくは、再建築不可物件の売却、旗竿地の売却の項目もご覧ください。
売却の進め方
- 査定を受けて、土地の価格(目安)を把握する
- 隣地所有者の購入意向を確認する(直接・不動産会社を通して)
- 価格・条件を交渉する
- 売買契約を結ぶ(測量・境界確認・分筆の要否を確認)
- 決済・登記(所有権移転・合筆登記など)
隣地所有者に直接、打診するか、不動産会社を通すかは、関係性や状況によります。第三者を介する方がスムーズな場合もあります。
注意点
- 価格の根拠(査定書・鑑定評価)を用意し、適正な価格で取引する(低額すぎると、贈与とみなされる場合がある)
- 隣地所有者との、関係を良好に保つ
- 売却後の境界・分筆・合筆の手続きを、確認する
- 隣地所有者が購入を断った場合の次の策(買取など)を考えておく
- 住宅ローンを利用しない、現金購入が多い(資金力の確認)
詳しくは、贈与税と不動産売却の項目もご覧ください。
一般の売却と並行する場合
隣地への売却を打診しながら、並行して、一般の買主も探す方法もあります。ただし、隣地所有者に「他の買主にも、声をかけている」ことを伝えるかどうかは、状況によります。信頼関係を損なわないよう、慎重に進めましょう。
隣地所有者が購入を断った場合でも、将来、購入する可能性がある場合は関係を保っておきましょう。
モデルケース:隣地への売却で高く売れた例(イメージ)
Nさんは、再建築不可の古い家付きの土地を持っていました。一般の買主には、売りにくい土地でしたが、隣地の所有者が「自分の土地と一体で使えれば、建て替えができる」と購入を希望しました。
不動産会社が間に入り、査定書を根拠に価格を交渉しました。結果、一般の買取価格より約3割高い、価格で売却できました。隣地所有者にとっての、価値を見極めることが鍵になる例です。