越境物とは
越境物とは、境界線を越えて、隣地にはみ出している物のことです。典型的な例は次のとおりです。
- 建物の屋根や庇(ひさし)の一部が隣地の上空に出ている
- ブロック塀・フェンスが境界を越えて、設置されている
- 樹木の枝が隣地に伸びている、根が隣地に入り込んでいる
- 地中の給排水管、ガス管、浄化槽などが、隣地を通っている
- エアコンの室外機、物置などが、はみ出している
越境は自分の土地から隣地へはみ出している場合と隣地から自分の土地へはみ出している場合の両方があり得ます。
越境が売却に与える影響
越境物がある土地は買主にとって、将来のトラブルのリスクがある土地と見られます。越境の状況によっては、価格が下がったり、住宅ローンの審査で不利になったり、買主が購入をためらったり、する場合があります。
売主には、越境の事実を知っている場合は買主に告知する義務があります。知っていて、告げずに、売却すると、契約不適合責任を問われる可能性があります。
越境の確認方法
- 現地で境界標と塀・建物・樹木の位置を確認する
- 測量図と現況を比較する
- 確定測量を行い、越境の有無を明確にする
- 隣地所有者と立ち会い、状況を確認する
- 土地家屋調査士に調査を依頼する
越境は目視では、わかりにくい場合もあります。確定測量で正確な状況を把握するのが、確実です。
越境への対処方法
越境が見つかった場合は次のような方法で対処します。
- 越境物を撤去・是正してもらう:塀や樹木など撤去できる越境は隣地所有者に依頼する
- 覚書を取り交わす:撤去が難しい場合は「将来、建て替えの際に越境を解消する」といった内容を書面で取り決める
- 越境部分の土地を売買する・賃貸借する:分筆して、売買したり、使用料を定めたりする
- 現況のまま、売却する:買主に告知し、了承を得て、売却する(価格は下がる傾向がある)
覚書は売却後も買主に引き継がれるため、売却前に隣地所有者と取り交わしておくと、買主の安心につながります。
売主が隣地に越境している場合
自分の建物や塀などが、隣地に越境している場合は買主にその事実を告知し、越境の解消や覚書の取り交わしを、検討する必要があります。越境している側が隣地所有者から撤去を求められる可能性もあるためです。
売却の前に隣地所有者と話し合い、越境を解消するか、覚書で取り扱いを、定めておくと、売却がスムーズです。詳しくは、越境物トラブルの項目をご覧ください。
モデルケース:覚書で解決した例(イメージ)
Qさんは、売却する土地のブロック塀が隣地に10cmほど、越境していることを確定測量で知りました。ブロック塀を撤去して、作り直すには、費用がかかります。
Qさんは、隣地所有者と話し合い、「ブロック塀を将来、建て替える際には、境界線上に設置し直す」という、覚書を取り交わしました。買主は覚書の内容を了承し、購入を決めました。撤去が難しい越境でも、覚書により、売却が可能になった例です。