抵当権抹消登記とは
抵当権とは、住宅ローンなどの、債務が返済されない場合に金融機関が不動産を売却して、債権を回収できる権利です。住宅ローンを組むと、通常、購入した不動産に金融機関の抵当権が設定され、登記簿に記録されます。
ローンを完済しても、抵当権の登記は自動的には、消えません。抵当権抹消登記を申請して、登記簿から抵当権を削除する必要があります。不動産を売却する場合は決済の日にローンを完済して、同時に抵当権抹消登記を申請します。
売却時の抹消の流れ
- 売却が決まったら、金融機関に売却の意向と完済の予定日を連絡する
- 金融機関から完済に必要な金額(残債・手数料)の案内を受ける
- 決済当日に買主から受け取った、売買代金でローンを完済する
- 金融機関から抵当権解除証書などの、必要書類を受け取る
- 司法書士が抵当権抹消登記を申請する
- 数日〜1週間程度で抹消登記が完了する
決済とローンの完済、抵当権の抹消は同日に行われるため、事前に金融機関と段取りを、確認しておくことが重要です。
必要書類
- 抵当権設定契約証書(または、登記識別情報)
- 金融機関が発行する、抵当権解除証書(または、弁済証書)
- 金融機関の資格証明書(代表者事項証明書など)
- 委任状(金融機関から司法書士へ)
- 売主の本人確認書類・実印(必要な場合)
これらの書類は完済時に金融機関から交付されます。紛失しないように、決済の当日まで大切に保管しましょう。
費用
抵当権抹消登記の費用は次のとおりです。
- 登録免許税:不動産1個につき、1,000円(土地と建物で2個なら、2,000円)
- 司法書士報酬:事務所や手続きの内容によって、異なる(一般に数千円〜2万円程度)
- 金融機関の手数料:繰上返済の手数料(金融機関による)
売主が負担する費用として、売却の費用に含めて、手取りを、計算します。詳しくは、抵当権抹消登記費用の項目をご覧ください。
根抵当権との違い
抵当権のほかに「根抵当権」が設定されている場合があります。根抵当権は一定の範囲内の継続的な取引から生じる、債務を極度額まで担保する権利です。主に事業用の融資で利用されます。
根抵当権を抹消するには、債務の完済だけでなく、元本の確定や解除の手続きが、必要になる場合があります。詳しくは、抵当権と根抵当権の違いの項目をご覧ください。
よくある注意点
- 完済後、すぐに、抹消登記を申請しないと、忘れてしまうことがある(売却時は決済と同時)
- 金融機関から書類が届いても、書類の有効期限(3か月以内など)に注意する
- 複数の抵当権が設定されている場合はすべて、抹消が必要
- 売却代金が残債に満たない場合は抵当権を抹消できない(オーバーローン)
- 抵当権の抹消ができないと、買主が住宅ローンを組めない
売却の前に登記簿を確認して、どのような権利が設定されているかを、把握しておきましょう。
モデルケース:ローン残債のある家の売却と抹消(イメージ)
Lさんは、住宅ローンが1,500万円残る、戸建てを、売却しました。決済の前に金融機関に連絡し、完済に必要な、金額を確認しました。決済当日、買主から受け取った、売買代金でローンを完済し、金融機関から抵当権解除証書を受け取りました。
司法書士はこれらの書類を使って、法務局へ抵当権抹消登記と所有権移転登記を同時に申請しました。Lさんは、手元に売買代金からローン完済額・諸費用を差し引いた、残金を受け取りました。