抵当権抹消の手続きとは
住宅ローンを組むと、金融機関は購入した不動産に抵当権を設定し、登記します。ローンを完済しても、この登記は自動的には、消えません。抵当権抹消登記を申請して、登記簿から削除する必要があります。
不動産を売却する場合は買主が抵当権のない、状態で取得できるよう、決済日にローンを完済し、同日に抹消登記を申請するのが、一般的です。詳しくは、抵当権抹消登記の項目もご覧ください。
売却時の流れ
- 売却が決まったら、金融機関に売却の意向と完済の予定日を連絡する
- 金融機関から完済に必要な金額と手続きの案内を受ける
- 決済日に売買代金でローンを完済する
- 金融機関から抵当権の抹消に必要な書類を受け取る(決済当日、または、後日、郵送)
- 司法書士が抹消登記を申請する
- 登記が完了し、登記簿から抵当権が削除される
決済当日に書類が受け取れない場合もあります。事前に金融機関に確認しておきましょう。
金融機関から受け取る書類
- 抵当権解除証書(または、弁済証書):抵当権を解除する旨の証書
- 金融機関の資格証明書(代表者事項証明書など):金融機関の代表者資格を証明する書類
- 委任状:司法書士に抹消登記を委任するための、書類
- 抵当権設定契約証書・登記識別情報(登記済証):抵当権設定時の書類
これらの書類は有効期限(3か月以内など)がある場合があります。受け取ったら、速やかに、司法書士へ渡しましょう。
費用
- 登録免許税:不動産1個につき、1,000円(土地と建物で2個なら、2,000円)
- 司法書士報酬:数千円〜2万円程度(事務所による)
- 金融機関の手数料:抵当権抹消書類の発行手数料(金融機関による)
売主の費用として、売却の手取りの計算に含めます。詳しくは、抵当権抹消登記費用の項目をご覧ください。
完済後に放置した場合のリスク
ローンを完済しても、抹消登記をしないまま、放置すると、次のような、問題が生じる場合があります。
- 金融機関の合併・統合・廃業により、書類の取得が難しくなる
- 書類の有効期限が切れ、再取得が必要になる
- 売却時に抹消が必要になり、手続きが、遅れる
- 相続が発生した場合、手続きが、複雑になる
売却の予定がない場合でも、完済したら、抹消登記を済ませておくことをおすすめします。
オーバーローンの場合
売却代金が残債に満たない(オーバーローン)場合、不足分を補わないと、ローンを完済できず、抵当権を抹消できません。抵当権が残ったままでは、買主は購入できないため、売却が成立しません。
この場合は自己資金で不足分を補う、住み替えローンを利用する、金融機関と交渉して、任意売却を検討するなどの、対応が必要です。詳しくは、オーバーローンの項目をご覧ください。
モデルケース:抹消書類の準備がスムーズだった例(イメージ)
Iさんは、決済の2週間前に金融機関に売却の意向と決済日を連絡し、完済手続きの流れと、必要書類を確認しました。決済当日、完済と同時に抵当権解除証書などを、受け取り、司法書士に渡しました。
司法書士はその場で抹消登記と所有権移転登記を申請し、数日後に完了しました。事前の連絡がスムーズな手続きにつながった例です。