所有権移転登記とは
所有権移転登記とは、不動産の売買、相続、贈与などによって、所有者が変わった場合にその事実を登記簿(不動産登記)に記録する手続きです。登記を行うことで、新しい所有者(買主)が自分の所有権を第三者に対して、主張できる(対抗力)ようになります。
不動産の登記は法務局(さいたま市内の不動産はさいたま地方法務局の管轄)で行われます。登記の申請は通常、専門家である、司法書士に依頼します。
売買による所有権移転登記の流れ
- 売買契約を締結する
- 決済の前に司法書士が必要書類・登記内容を確認する
- 決済当日に売主・買主・司法書士が集まり、本人確認・書類確認を行う
- 売買代金の授受が確認されたら、司法書士が法務局に登記を申請する
- 数日〜1週間程度で登記が完了する
- 買主に登記識別情報(権利証)が通知される
登記は決済と同時に申請する必要があります。これにより、代金を払ったのに、名義が変わらない、といったリスクを避けられます。
売主が準備する書類
- 登記識別情報(登記済権利証)
- 印鑑証明書(発行から3か月以内などの、条件がある)
- 実印
- 本人確認書類
- 固定資産税評価証明書(または、納税通知書)
- 住所・氏名が登記簿と異なる場合は住民票・戸籍の附票など
登記簿上の住所と現在の住所が異なる場合は先に住所変更登記が必要です。その費用は売主が負担するのが、一般的です。
登録免許税と司法書士報酬
所有権移転登記の登録免許税は不動産の固定資産税評価額に税率を乗じて、算出します。土地の売買では、軽減措置で税率が1.5%(本来2%)となっています。建物は原則2%ですが、居住用で一定の要件を満たす場合は0.3%に、軽減される場合があります。
登録免許税と司法書士報酬は通常、買主が負担します。売主が負担する、登記費用は抵当権抹消登記や住所変更登記の費用が主なものです。詳しくは、登録免許税の項目をご覧ください。
登記識別情報(権利証)とは
登記識別情報は不動産の所有者を証明する、12桁の英数字の符号です。2005年以降の登記から従来の「登記済権利証」に代わって、発行されるようになりました。所有権移転登記の申請の際に売主が提出する必要があります。
紛失した場合は再発行はできませんが、司法書士が「本人確認情報」を作成するなどの、方法で登記の手続きを、進められます。ただし、別途の費用と日数がかかります。詳しくは、登記識別情報(権利証)の項目をご覧ください。
登記をしないと、どうなるか
登記をしないままだと、買主は第三者に対して、所有権を主張できません。たとえば、売主が二重に売却した場合、先に登記をした買主が所有権を取得します。また、売主が固定資産税の納税義務者のままとなる、売主の債権者に差し押さえられるなどの、リスクもあります。
売主にとっても、登記が完了しないと、売却が法的に完結しません。決済の日に確実に登記を申請することが重要です。
モデルケース:決済当日の登記手続きの例(イメージ)
Kさんが、売却した土地と建物の決済当日、司法書士が売主のKさんと、買主から必要書類を預かり、本人確認を行いました。買主の融資の実行を確認し、売買代金がKさんの口座に入金されたことを確認したあと、司法書士は法務局へ所有権移転登記と抵当権抹消登記を申請しました。
登記は申請から5日後に完了し、買主に新しい登記識別情報が通知されました。Kさんは、決済当日に必要書類をすべて、渡していたため、その後の手続きは、不要でした。