契約前の確認が重要な理由
売買契約は一度、結ぶと、簡単には、取りやめられません。契約後に「こんなはずでは、なかった」と気づいても、解除には、手付金の放棄や違約金など大きな負担が伴います。このため、契約前の確認が最も重要な、リスク管理です。
売主は「契約書に署名・押印する前にすべての疑問を解消する」という姿勢で臨みましょう。不動産会社に遠慮せず、質問し、納得してから、契約するのが、鉄則です。
契約書・重要事項説明書の確認項目
- 売買代金・手付金・残代金の額と支払い時期
- 手付解除の期日と違約金の額
- 引き渡し日と引き渡しの条件(空き渡しか、現況渡しか)
- 契約不適合責任の範囲と期間
- ローン特約の内容と期限
- 特約事項(設備の扱い、測量、境界、残置物など)
- 公租公課・管理費の精算方法
- 反社会的勢力排除条項などの、標準条項
契約書の案は事前に受け取り、時間をかけて、読み込みましょう。契約当日に初めて見る、という状態は避けるべきです。
物件の告知内容の確認
- 物件状況報告書・付帯設備表に知っている事実をすべて、記載したか
- 雨漏り・シロアリ・設備の故障などの、不具合を告知したか
- 過去の事故・事件、近隣トラブルを告知したか
- 境界・越境の状況を確認したか
- リフォーム・修繕の履歴を整理したか
告知内容に漏れがあると、契約不適合責任を問われる、原因となります。迷う事項は不動産会社に相談しましょう。
費用・手取りの確認
売却によって、手元に残る金額を再確認しましょう。売買代金からローン残債、仲介手数料、登記費用、印紙税、測量費、解体費、残置物の処分費、税金(譲渡所得税・住民税)などを、差し引いて、手取りを、計算します。
住み替えの場合は新居の購入資金や引っ越し費用、仮住まい費用も含めて、資金計画を再確認します。手取りが、想定を下回る場合は契約を見直すか、別の方法を検討しましょう。詳しくは、手取り額の計算方法の項目をご覧ください。
引き渡しの準備の確認
- 引き渡し日までに、引っ越しを、完了できるか
- 残置物・家財道具の処分の見通しは、立っているか
- ローンの完済手続き(抵当権抹消)の段取りは、確認したか
- 鍵・取扱説明書・保証書など引き渡す書類・物はそろっているか
- 公共料金・火災保険などの、解約・名義変更の手配はできるか
引き渡しに、必要な準備に時間がかかる場合は引き渡し日の設定を見直すか、引き渡し猶予の特約を検討します。
契約当日の流れと、持ち物
契約当日は不動産会社の事務所などで、重要事項説明、売買契約書の読み合わせ、署名・押印、手付金の授受、が、行われます。必要な持ち物は次のとおりです。
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 実印(または認印、契約書の指示による)
- 印鑑証明書(必要な場合)
- 登記済権利証(登記識別情報)(必要な場合)
- 手付金の受領のための、口座情報
- 収入印紙(不動産会社が用意する場合が多い)
持ち物は事前に不動産会社に確認しておきましょう。
モデルケース:最終確認で問題を発見した例(イメージ)
Jさんは、契約の前日に契約書の最終案を確認しました。「引き渡し日は契約から1か月後」と記載されていましたが、Jさんは、新居の完成が2か月後の予定であることに気づきました。
不動産会社に連絡し、引き渡し猶予の特約を追加するか、引き渡し日を延ばすことを買主に相談しました。買主の了承を得て、引き渡し日を2か月後に変更して、契約しました。最終確認が後のトラブルを防いだ例です。