手付金と手付解除とは?

手付金と手付解除とは、売買契約の際に買主が支払う手付金を使って、一定の期日までに、契約を解除できる、解約手付の仕組みのことです。買主は手付金を放棄し、売主は手付金の倍額を返すことで、契約の履行に着手するまで、契約を解除できます。

この用語のポイント

  • 手付解除:買主は手付を放棄して、売主は倍額を償還して、契約を解除できる
  • 解除できるのは、相手方が履行に着手するまで。実務では、契約書で手付解除期日を定める
  • 手付解除の期日を過ぎると、違約金を伴う、契約解除となる
  • 売主が手付解除をする場合は倍額の準備と買主の損害への配慮が必要
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このページの目次

手付解除の仕組み

手付解除は売買契約の後、一定の期間内であれば、手付金を利用して、一方的に契約を解除できる仕組みです。民法第557条に定められており、買主は手付金を放棄することで、売主は手付金の倍額を買主に償還することで、契約を解除できます。

この制度は契約後にやむを得ない事情が生じた場合に当事者が一定の負担(手付の放棄や倍返し)で契約から離脱できるようにするためのものです。ただし、無制限に解除できると、取引の安定性が損なわれるため、一定の制限が設けられています。

解除できる期限

民法上は「相手方が契約の履行に着手するまで」手付解除ができます。履行の着手とは、たとえば、売主が引き渡しの準備(測量、解体、引っ越しなど)を始めた場合や買主が代金の一部を支払った場合などです。

しかし、「履行の着手」の判断は解釈の余地があるため、実務では、売買契約書に「手付解除の期日」を具体的に定めるのが、一般的です。たとえば、「契約日から2週間後まで」「買主のローン承認の日まで」などです。期日を過ぎると、手付解除はできなくなります。

手付解除をする場合の注意点

  • 買主が解除する場合:手付金を放棄する。すでに支払った手付金は返還されない
  • 売主が解除する場合:受け取った手付金に同額を加えた、倍額を買主に支払う
  • 解除の通知は書面(内容証明郵便など)で行うのが、安全
  • 手付解除の意思表示は期日内に相手方に到達する必要がある
  • 解除によって、買主に損害(ローンの手数料など)が生じた場合の取り扱いを、確認する

とくに、売主が手付解除をする場合は倍返しの資金を準備できるか、買主との、関係に支障がないかを、よく考える必要があります。

手付解除の期日を過ぎたら

期日を過ぎた後に契約を解除したい場合は手付解除はできません。その場合は契約の違反による解除、または、合意解除となります。違約金(売買代金の10〜20%程度が一般的)が課される場合があります。

期日を過ぎた後でも、売主・買主の双方が合意すれば、契約を解除できます。ただし、手付金の取り扱い、解除に伴う費用の負担などを、書面で取り決める必要があります。詳しくは、契約の解除と違約金の項目をご覧ください。

手付解除をめぐる、トラブルの例

手付解除をめぐっては、次のようなトラブルが起こることがあります。

  • 買主が「履行の着手」前であると主張するが、売主はすでに着手したと考える
  • 売主が高く買う人が現れたため、手付解除を申し出たが、買主が納得しない
  • 手付解除の期日の起算日(契約日か、手付金の授受日か)が曖昧
  • 解除の意思表示が期日内に到達していない

これらを防ぐためにも、契約書に手付解除の期日・方法を明確に記載しておくことが重要です。詳しくは、手付解除期日を巡るトラブルの項目もご覧ください。

売主が契約を解除したくなったとき

売主が契約を解除したくなる理由として、「より高い価格で買う人が現れた」「家族の事情が変わった」などが、あります。この場合は手付金の倍額を準備して、期日内に解除を申し出ることが可能です。

ただし、売主の都合による、解除は買主に大きな、影響を与えます。住宅ローンの手続き費用、引っ越しの準備などが、すでに、進んでいる場合は損害の賠償を求められる可能性もあります。解除する前に不動産会社や弁護士に相談しましょう。

モデルケース:手付解除の期日がトラブルを防いだ例(イメージ)

Vさんが、物件を売却する契約を結んだとき、契約書に「手付解除期日は契約から10日以内」と明記しました。契約から15日後に買主から「やはり、購入をやめたい」と連絡がありました。

手付解除の期日が過ぎていたため、買主は手付解除を行えず、違約金の対象となりました。期日が明確に定められていたため、双方が冷静に話し合い、違約金の一部を支払うことで、合意しました。契約書の期日がトラブルを整理する基準となった例です。

さいたま市で売却する場合の視点

さいたま市内の取引でも、手付解除の期日は契約書で定められます。住宅ローンを利用する買主が多いため、「ローン特約の期日」と「手付解除の期日」が重なる場合があります。両者の関係を契約書で確認しておきましょう。

Checklist

手付金と手付解除のチェックリスト

売却を進める前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 手付解除の期日を契約書で確認した
  • 手付金の額を確認した
  • 売主が解除する場合の倍額を確認した
  • 解除の方法(書面など)を確認した
  • 違約金の額を確認した
  • ローン特約との関係を確認した
FAQ

手付金と手付解除に関するよくある質問

Q手付解除はいつまで、できますか?
契約書に定めた期日までです。定めがない場合は相手方が履行に着手するまでです。
Q手付解除をすると、手付金はどうなりますか?
買主が解除する場合は手付金を放棄します。売主が解除する場合は手付金の倍額を買主に支払います。
Q履行の着手とは、何ですか?
売主が引き渡しの準備を始めたり、買主が代金の一部を支払ったりすることです。
Q手付解除は書面で行いますか?
書面で行うのが、安全です。内容証明郵便などで、期日内に到達させます。
Q手付解除の期日は何日が一般的ですか?
契約から1〜2週間程度が多いですが、物件や当事者の事情で異なります。
Q期日後に解除したい場合は?
違約金を伴う解除や合意解除になります。不動産会社に相談しましょう。
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