トラブルの典型例
- 買主が期日の当日に解除を郵送したが、売主に届いたのは、翌日だった
- 期日の「起算日」が契約日か、手付金の授受日か、で、解釈が分かれた
- 売主が引き渡しの準備(測量・解体)を始め、「履行に着手した」ので、手付解除はできないと、主張した
- 買主が「ローン特約の期限」と「手付解除の期日」を混同していた
- 売主が「より高く、買う人が現れた」ため、手付解除を申し出て、買主と揉めた
手付解除の基本的な内容は、手付金と手付解除の項目をご覧ください。
争点になりやすい点
- 期日:「契約日から2週間以内」など起算日・期限の数え方
- 意思表示の到達:期日内に発信すればよいのか、到達が必要なのか
- 履行の着手:売主・買主のどの行為が着手に当たるか
- 手付金の授受:手付金の支払いが、遅れた場合の扱い
- 売主の解除:倍額の提供(現実の提供)の要否
民法上は「相手方が履行に着手するまで」解除できますが、実務では、契約書に具体的な期日を定めるのが、一般的です。
予防策
- 契約書に手付解除の期日を具体的な日付で明記する(例:○年○月○日まで)
- 起算日・通知方法(書面・内容証明郵便・到達の要否)を明確にする
- ローン特約の期限と手付解除の期日の関係を確認する
- 売主が引き渡しの準備を始める時期を期日後にする
- 不動産会社に契約書の内容を丁寧に説明してもらう
売買契約の前に期日・通知方法を確認しておきましょう。詳しくは、売買契約前の最終確認事項の項目をご覧ください。
売主が解除したい場合
売主が手付解除を行う場合は手付金の倍額を買主に現実に提供する(支払う・弁済の準備をして、通知する)必要があります。口頭で解除の意思を伝えるだけでは、足りません。倍額の提供がないと、解除の効力が認められない場合があります。
売主の都合による、解除は買主に大きな影響を与え、損害賠償を求められる可能性もあります。解除を検討する前に不動産会社や弁護士に相談しましょう。
期日を過ぎてしまった場合
- 手付解除はできない。契約の履行(決済)を進める義務がある
- 解除したい場合は合意解除(相手方の合意)を協議する
- 一方的に解除すると、債務不履行として、違約金の対象になる
- 弁護士に相談して、対応を検討する
詳しくは、契約の解除と違約金の項目をご覧ください。
モデルケース:期日が明確でトラブルを避けた例(イメージ)
Lさんの売買契約書には、「手付解除の期日は、○年○月○日(契約から10日後)。解除の通知は書面で期日必着とする」と明記されていました。買主は期日までに、書面で解除を通知し、手付金を放棄して、契約は解除されました。
期日と方法が明確だったため、双方が迷わず、手続きを、進められました。契約書の明確な記載がトラブルを防いだ例です。