トラブルの典型例
- 買主の本審査が長引き、特約の期限に間に合わなかった
- 買主が期限直前に「融資が通らなかった」と白紙解除を申し出た
- 売主が期限の延長を断り、買主が違約金の問題になった
- 買主が他の金融機関への、再申込みを、希望し、期限の延長を求めた
- ローン特約の期限と手付解除の期日が混同された
ローン特約の基本は、住宅ローン特約(白紙解除特約)、住宅ローン特約(融資特約)の項目をご覧ください。
原因
- 買主の本審査に必要な書類の提出が遅れた
- 金融機関の審査が混雑して、時間がかかった
- 買主の収入・勤務先・他の借入の状況で追加確認が必要になった
- 買主が複数の金融機関に申込み、結果を待っていた
- 契約時に特約の期限を短く、設定しすぎた
期限が短すぎると、審査が間に合わないリスクがあります。
売主への影響
- 期限直前に白紙解除され、売却活動が振り出しに、戻る
- 期限が不確定のまま、過ぎ、契約が宙に浮く
- 期限の延長を求められ、他の買主を逃す可能性がある
- 売却の準備(引っ越しなど)が無駄になる
契約から期限までの間は売主にとって、不安定な期間です。
予防策
- 契約前に買主の事前審査(仮審査)の結果を確認する
- 特約の期限を現実的な長さ(1か月程度)に設定する
- 買主に本審査の書類を早めに、提出してもらう
- 審査の進捗を不動産会社を通して、定期的に確認する
- 延長が必要な場合の手続き(書面での合意)をあらかじめ、確認しておく
売主・買主・不動産会社が連携して、期限を管理することが大切です。
期限の延長
審査が遅れた場合、売主・買主の合意で特約の期限を延長できます。延長の際は必ず、書面(覚書・変更合意書)で新しい期限を明記しましょう。口約束だけでは、後でトラブルになります。
売主として、延長に応じるかどうかは、買主の状況(事前審査の通過状況・進捗)と他の買主の可能性を考慮して、判断します。延長を断った場合、買主が期限内に承認を得られなければ、白紙解除になります。
期限切れの後
- 期限内に融資の承認を得た:契約は継続し、決済に進む
- 期限内に承認を得られず、買主が解除を通知した:契約は白紙になり、手付金は返還される
- 期限が過ぎても、買主が解除を通知しない:特約の効力が失われ、買主は契約の履行義務を負う(契約書の内容による)
- 期限後に融資が否決された:手付解除・違約金の問題になる
契約書の条項を確認し、不動産会社・弁護士に相談しましょう。
モデルケース:期限の延長で契約が継続した例(イメージ)
Mさんの物件の売買契約には、ローン特約(期限:契約から30日)がありました。期限の1週間前に買主から「本審査が遅れており、あと、1週間、必要」と連絡がありました。
Mさんは、事前審査が通過していたことを確認し、1週間の延長に応じ、覚書を取り交わしました。期限内に融資が承認され、決済に進みました。事前審査の確認と書面での延長が契約の継続につながった例です。