住宅ローン特約とは
住宅ローン特約(融資特約・ローン条項)は買主が住宅ローンを利用して、購入する場合に売買契約書に盛り込まれる特約です。契約後、期限までに、買主が融資の承認を得られなかった場合に買主が契約を白紙に戻せる、という内容です。
詳しくは、住宅ローン特約(白紙解除特約)の項目をご覧ください。ここでは、売主が実務上、気をつけるべき点を整理します。
売主にとってのリスク
- 契約後、買主のローンが否決されると、契約が白紙になり、売却が振り出しに、戻る
- 売却の準備(測量・片付け・引っ越しなど)を進めていた場合は手間と費用が無駄になる
- 新居の購入を予定していた場合、資金計画に狂いが、生じる
- 契約から白紙解除まで期間があるため、他の買主を逃す可能性がある
買主のローン審査の通過の見込みを、事前に確認することがリスク軽減の鍵です。
事前に確認すること
- 買主の事前審査(仮審査)の結果(通過済みか)
- 借入を予定する金融機関・借入額・借入期間
- 買主の自己資金(頭金・諸費用)の有無
- 特約の期限(融資の承認の期限)の設定
- 本審査のスケジュール
- 買主の他の借入(自動車ローン・カードローンなど)の状況
不動産会社が買主の資金計画を確認し、売主に報告するのが、一般的です。売主は報告を受けて、リスクを判断しましょう。
特約の期限の設定
特約の期限は通常、契約から2〜4週間程度(1か月以内)に設定されます。期限が短すぎると、買主が本審査に間に合わないおそれが、あります。長すぎると、売主が不安定な状態に置かれます。
売主・買主の双方の事情を考慮して、現実的な期限を設定しましょう。期限が過ぎたあとは買主はローン特約による、解除ができなくなります(手付解除や違約金の対象になります)。
白紙解除になった場合の対応
- 買主から解除の通知を受ける(書面)
- 受け取っていた手付金を買主に全額、返還する
- 売却活動を再開する(不動産会社に相談)
- 売却価格・条件を見直す(必要に応じて)
- 買主が別の金融機関で再申込する可能性も確認する
白紙解除の場合は売主・買主のどちらにも、違約金は発生しません。
リスクを減らす方法
- 買主の事前審査が通過した後に契約する
- 現金購入の買主(ローンなし)を優先する(価格・条件を考慮して)
- 特約の期限を適切に設定する
- 買主の複数の金融機関への、申込みを、促す
- 契約前に買主の資金計画の確認を不動産会社に依頼する
売却のスケジュールに余裕を持たせ、白紙解除の可能性を考慮して、計画を立てましょう。
モデルケース:事前審査の確認でリスクを避けた例(イメージ)
Nさんの物件に2組の買主から買付証明書が提出されました。A買主は事前審査が通過済みで、B買主は事前審査が未実施でした。価格はB買主がやや高かったのですが、Nさんは、不動産会社と相談し、審査が通過済みのA買主を選びました。
契約後、A買主のローンは予定どおり、承認され、決済が完了しました。事前審査の確認が契約後の白紙解除のリスクを避けた例です。