停止条件付契約とは
停止条件付契約とは、契約の効力の発生を将来の不確実な事実(条件)にかからせる契約です。条件が成就した時から契約の効力が発生します。条件が成就しないことが確定した場合は契約は効力を生じず、白紙になります。
たとえば、「農地法の許可を得られたときに売買の効力が生じる」という契約が停止条件付契約です。条件が成就するまでは、売主は所有権を移転する義務を負わず、買主は代金を支払う義務を負いません。
不動産売買で使われる場面
- 農地・山林の売買:農地法第3条・第5条の許可を条件とする
- 開発行為の許可が必要な、土地の売買:許可を条件とする
- 買主の住宅ローンの承認:ローン特約として、承認を条件とする(実際は解除条件とする契約も多い)
- 売主が所有権を取得することを条件とする(他人物売買)
- 境界の確定や測量の完了を条件とする
農地の売買では、農地法の許可を得ないと、所有権が移転しないため、「許可を得られることを停止条件とする契約」を結ぶのが、一般的です。
停止条件と解除条件の違い
停止条件に対して、「解除条件」という、考え方もあります。解除条件付契約は契約の効力がすでに、発生していて、条件が成就したときに契約が効力を失う契約です。
- 停止条件:条件が成就するまで、契約の効力は発生しない
- 解除条件:契約は有効に成立しているが、条件が成就したときに効力を失う
住宅ローン特約は「融資が受けられなかったときに契約を解除できる」という、解除条件付き(または、解除権の留保)の形式で定められることが多くあります。
契約書に定めるべき内容
- 停止条件の内容(例:農地法第5条の許可を得ること)
- 条件成就の期限(いつまでに、許可を得るのか)
- 条件が成就しなかった場合の取り扱い(契約を白紙とし、手付金を返還する)
- 許可申請の手続きと、費用の負担者
- 条件成就までの間の物件の管理や費用負担
条件や期限が曖昧だと、トラブルの原因となります。専門家(行政書士、司法書士、不動産会社)と相談して、内容を詰めましょう。
農地の売買での、停止条件付契約の流れ
- 売主・買主が売買契約を停止条件付で締結する
- 農業委員会(または、都道府県知事)に許可申請を行う
- 許可が下りたら、条件が成就し、契約の効力が生じる
- 代金の支払いと、所有権移転の登記を行う
- 許可が下りなければ、契約は白紙になる
農地転用の許可には、数か月かかる場合があるため、売却のスケジュールに余裕を持つことが大切です。
よくある誤解と注意点
誤解1:「契約したのだから、すぐに、所有権が移転する」。停止条件付契約では、条件の成就まで効力が発生しません。
誤解2:「条件が成就しなくても、手付金は返ってこない」。条件が成就せず、契約が白紙になった場合は手付金は返還されるのが、一般的です(契約書で確認が必要)。
誤解3:「農地の売買は契約だけで、成立する」。農地法の許可がないと、所有権は移転しません。
モデルケース:農地の売買で停止条件付契約を結んだ例(イメージ)
Zさんは、相続した農地を宅地として、売却するため、買主と売買契約を結びました。契約書には、「農地法第5条の許可を得ることを停止条件とし、条件が成就しない場合は契約を白紙とし、手付金を返還する」と定めました。
契約後、行政書士の協力で許可申請を行い、約3か月後に許可が下りました。条件が成就したため、決済・引き渡しに、進みました。停止条件を契約書に明確に定めたことで、双方が安心して、手続きを、進められた例です。