農地転用とは
農地転用とは、農地(田・畑など)を住宅用地、駐車場、店舗、資材置場など農地以外の用途に変更することです。農地は食料生産の基盤であるため、農地法によって、転用が厳しく制限されています。
売却の場面では、農地を宅地として、売却する場合や農地のまま、売却する場合で必要な手続きが、異なります。
農地法の3つの許可
- 第3条の許可:農地を農地のまま、売買・貸借などで、権利移動する場合(買主が農業を営む方である必要がある)
- 第4条の許可:所有者が自ら、農地を転用する場合(自己転用)
- 第5条の許可:農地を転用目的で売買・貸借などで、権利移動する場合(買主が宅地に転用するために購入する場合)
農地を宅地として売却する場合は通常、第5条の許可(または、届出)が必要です。
許可と届出の違い
- 市街化区域内の農地:農業委員会への「届出」で転用できる(許可は不要)
- 市街化調整区域内の農地:都道府県知事(指定市町村の長)の「許可」が必要
- 農用地区域内の農地:原則として、転用は許可されない(農用地区域からの除外が先に必要)
- 区域外の農地:都道府県知事の許可が必要
農地がどの区域にあるかによって、転用の難しさが、大きく異なります。まず、区域の確認が必要です。
農地転用の流れ(売却の場合)
- 農地の区域区分・地目・農地区分を確認する
- 農業委員会に事前相談する
- 買主との間で売買契約を停止条件付で締結する(許可を条件とする)
- 農業委員会を通じて、許可申請(または、届出)を行う
- 許可が下りたら、条件が成就し、売買代金の支払いと、所有権移転登記を行う
- 転用後に地目変更登記を行う
許可が下りるまで、数か月かかることがあります。売却のスケジュールに余裕を持ちましょう。詳しくは、停止条件付契約の項目もご覧ください。
無許可の転用・売買のリスク
許可を得ずに、農地を売買・転用すると、契約は無効となり、所有権は移転しません。また、無断で転用した場合は原状回復を命じられたり、罰則(懲役や罰金)が科されたりする場合があります。
売主として、農地を売却する際は必ず、農業委員会に相談し、適切な手続きを、踏むことが重要です。
農地転用の費用と必要書類
農地転用の申請には、行政書士に依頼するのが、一般的です。費用は申請の内容や面積によって、異なります。必要書類は次のようなものです。
- 許可申請書(または、届出書)
- 土地の登記事項証明書・公図・位置図
- 転用の目的・計画を示す、書類(事業計画書、造成計画図など)
- 買主の資力を証明する書類
- 隣接地の所有者の同意書(必要な場合)
- 土地改良区の意見書(該当する場合)
書類の準備には、時間がかかります。売却を決めたら、早めに、行政書士や不動産会社に相談しましょう。
モデルケース:農地を宅地として売却した例(イメージ)
Xさんは、相続した、市街化区域内の畑を宅地として売却することにしました。市街化区域内の農地のため、農業委員会への、届出で転用できました。買主と契約し、届出が受理されたあと、代金の支払いと、所有権移転登記を行いました。
もし、これが、市街化調整区域の農地であれば、都道府県知事の許可が必要でさらに、時間とハードルが高くなっていたでしょう。農地の区域を最初に確認することが重要であることを示す例です。