市街化区域とは
市街化区域はすでに市街地を形成している区域、および、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域です。市街化区域には、必ず、用途地域が定められ、建築物の用途・規模に関する、ルールが適用されます。
市街化区域内の土地は原則として、建築確認を受ければ、建物を建築できます(用途地域に適合する範囲で)。道路や上下水道などの、都市基盤も整備が進められるため、住宅用地として、評価されやすい区域です。
市街化調整区域とは
市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域です。農地や山林などの、自然環境を保全し、無秩序な宅地化を防ぐことが目的です。このため、原則として、建築物の建築や開発行為が厳しく制限されています。
調整区域には、用途地域は原則として定められません。道路や上下水道などの都市基盤の整備も市街化区域に比べて、遅れていることが多く、土地の利便性にも、影響します。
調整区域で建築できる場合
市街化調整区域でも、一定の要件を満たす場合は建築が許可されます。代表的なものは次のとおりです。
- 農林漁業を営む方の住宅・農家住宅
- 既存の集落内の住宅(自治体が定める、要件を満たす場合)
- 分家住宅(農家の世帯分離に伴う、住宅。要件が厳格)
- 既存の建築物の建替え・増築(一定の範囲内)
- 公共施設・医療施設・社会福祉施設など(許可基準を満たす場合)
どの要件に該当するかは、土地の来歴や周辺の状況によって異なります。個別の調査が必要です。かつて存在した「既存宅地制度」は2001年に廃止されています。
売却への影響
- 買主が自由に建物を建てられるとは限らず、買主の層が限られる
- 住宅ローンの審査で担保評価が低くなり、融資が受けにくい場合がある
- 価格は市街化区域の宅地に比べて、低くなる傾向がある
- 売却に時間がかかる場合がある
- 開発許可・建築許可の履歴を確認して、買主に説明する必要がある
とはいえ、調整区域の土地が売却できないわけでは、ありません。売り方の工夫次第で売却できる場合が多くあります。
調整区域の土地の売却方法
市街化調整区域の土地は次のような方法で売却が検討されます。
- 建築できる土地として売却する:許可の要件を満たす買主(農家など)に売却する
- 農地・山林として売却する:農地法の許可を得たうえで、売却する
- 買取を依頼する:調整区域の土地の取り扱いに、実績のある、不動産会社に買い取ってもらう
- 隣接地の所有者に売却する:隣地と一体で利用できる場合に有力な選択肢
- 活用して売却する:資材置場・駐車場などの活用実績をつくって売却する
詳しくは、市街化調整区域についてのページもご覧ください。
売却前に確認すること
- 土地が市街化調整区域に含まれることの確認(市の都市計画課)
- 土地の地目(宅地・農地・山林など)
- 過去の開発許可・建築許可の有無
- 既存の建物が適法に建てられたものか
- 接道の状況(道路に接しているか)
- 上下水道・ガスなどの、供給状況
これらの調査には、専門知識が必要です。実績のある不動産会社に相談することをおすすめします。
モデルケース:調整区域の土地を買取で売却した例(イメージ)
Sさんは、相続した、市街化調整区域の土地を売却したいと考えていました。複数の不動産会社に相談しましたが、「建築ができないため、売却は難しい」と断られました。
調整区域の土地の取り扱いに、実績のある不動産会社に相談したところ、土地の来歴を調査し、買取の提案を受けました。価格は市街化区域の宅地より低めでしたが、固定資産税や管理の負担から解放され、納得して、売却できました。専門性のある会社を選ぶことの重要性を示す例です。