住宅用地の特例とは
固定資産税・都市計画税は土地の評価額をもとに、課税されます。住宅が建っている土地(住宅用地)には、税負担を軽減するための、特例があります。
- 小規模住宅用地(住宅1戸あたり、200平方メートル以下の部分):固定資産税の課税標準が評価額の1/6、都市計画税が1/3
- 一般住宅用地(200平方メートルを超える部分で家屋の床面積の10倍まで):固定資産税が1/3、都市計画税が2/3
この特例により、住宅が建っている土地は更地に比べて、税額が大幅に軽減されています。
更地にすると、どうなるか
建物を解体して、更地にすると、住宅用地ではなくなり、特例が外れます。固定資産税の課税標準が評価額の100%(特例なし)になり、税額が小規模住宅用地の場合、最大で約6倍に増える場合があります。
固定資産税は毎年1月1日時点の土地・建物の状況で判断されます。年内に解体して、更地になった場合は翌年の1月1日から特例が外れ、税額が増えます。売却のスケジュールと解体の時期を考慮することが大切です。詳しくは、更地渡しの項目をご覧ください。
空き家と特例
空き家であっても、居住用の家屋が建っている限り、住宅用地特例は適用されます。「空き家を残しておけば、税金が安い」と考える所有者がいるため、老朽化した、空き家が放置される、一因となっています。
このため、空家法では、管理不全の空き家に対する、措置として、勧告を受けた場合に特例を解除する仕組みが、設けられました。
特例が解除される場合
- 特定空き家に指定され、市町村長から勧告を受けた場合
- 管理不全空家として、勧告を受けた場合(2023年12月の法改正)
- 家屋を解体して、更地にした場合
- 家屋が居住用として、使用されなくなり、かつ、住宅としての、実体を失った場合(廃屋など)
特例が解除されると、翌年度から固定資産税・都市計画税が大幅に増えます。詳しくは、特定空き家の項目をご覧ください。
売却・解体のタイミング
- 売却が決まっている場合:決済の直前まで建物を残し、引き渡し後に買主が解体する(古家付き)
- 更地渡しの場合:契約後に売主が解体する(契約後解体)。引き渡し時期を年明け(1月1日以降)にする
- 売却が決まっていない場合:解体を急がず、売却の見通しを、確認してから、判断する
- 老朽化が激しく、危険な場合:管理不全空家・特定空き家のリスクを考慮して、早めに、対処する
解体の時期を1月1日の前後で調整するだけで、1年分の税額の差が生じる場合があります。
売却益と税金
固定資産税の特例は保有中の税金の話ですが、売却益に対する、譲渡所得税とは、別の問題です。空き家の売却では、3,000万円特別控除などの、特例を使える場合があります。詳しくは、相続空き家の3,000万円特別控除の項目をご覧ください。
保有中の税金(固定資産税)と売却時の税金(譲渡所得税)をあわせて、考え、トータルの負担が最小になる方法を検討しましょう。
モデルケース:解体時期を調整して、税負担を抑えた例(イメージ)
Bさんは、古い実家を更地にして、売却する予定でした。売買契約は11月に成立し、引き渡しは、翌年の3月でした。Bさんは、契約後の12月に解体する予定でしたが、不動産会社のアドバイスで解体を年明けの1月に変更しました。
これにより、1月1日時点では、建物が残っていたため、その年の固定資産税は住宅用地特例が適用されました。解体の時期を1か月、ずらすだけで、1年分の税額の増加を避けられた例です。ただし、買主との、引き渡し条件や解体のスケジュールとの、調整が必要です。