固定資産税・都市計画税の仕組み
固定資産税・都市計画税は毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して、市町村が課税する税金です。1年分の税額が4月〜6月ごろに、納税通知書で通知されます。納付は年4回に分けて、行うのが、一般的です。
法律上の納税義務者は1月1日時点の登記簿上の所有者です。売却して、年の途中で所有者が変わっても、その年の税金は1月1日時点の所有者(売主)に全額が課されます。
日割精算が必要な理由
売主が年の途中で不動産を売却した場合、売却後の期間の税金も売主が全額を負担するのは、不公平です。そこで、不動産の取引では、引き渡し日を基準に売主と買主がそれぞれの所有期間に応じて、税金を日割りで、分担する慣行があります。
具体的には、売主がすでに納付した(または、これから納付する)1年分の税額のうち、引き渡し日以降の分を買主が売主に精算金として支払います。
精算の計算方法
精算額は次のように計算します。
- 1年分の税額を365日(または366日)で割って、1日あたりの税額を求める
- 買主の所有期間(引き渡し日から12月31日まで)の日数を掛ける
- その金額を買主が売主に決済時に支払う
引き渡し日を売主の負担とするか、買主の負担とするかは、契約書で定めます。精算の基準日や計算方法は取引ごとに、異なるため、契約書を確認しましょう。
起算日の違い
精算の起算日は一般に関東では、1月1日、関西では、4月1日が使われると言われています。起算日は法律で定められているわけではなく、地域の慣行です。さいたま市を含む関東では、1月1日起算が一般的です。
どちらを使うかは、契約で取り決めるため、事前に確認しましょう。起算日の違いで、精算額が変わります。
精算金の受け渡し
精算金は売買代金とは別に決済当日に買主から売主へ支払われます。決済の際の精算書に金額が記載されます。売主が受け取った精算金は売却代金の一部として、扱われ、譲渡所得の計算では、売却価格に含めて、計算するのが、一般的です。
なお、納税通知書が届く前(1月〜3月の売却)の場合は前年度の税額を基準として、精算するのが、通例です。後日、確定した税額との差額を調整する場合はその方法を契約書に定めておきます。
モデルケース:日割精算の計算例(イメージ)
年間の固定資産税・都市計画税が合計で18万円の不動産を7月1日に引き渡す場合を考えます。1日あたりの税額は18万円 ÷ 365日 = 約493円。7月1日から12月31日までの、184日分が買主の負担となり、約9万740円が買主から売主へ精算金として、支払われます。
売主はすでに、1年分の税金を納付しているため、買主から受け取った精算金で実質的な負担が所有期間分に調整されます。
精算でトラブルを防ぐための、実務のポイント
日割精算は金額が小さいため、軽視されがちですが、契約書や決済の場面で金額の食い違いが、起きると、トラブルのもとになります。まず、売買契約の段階で起算日(1月1日)、日割りの計算方法(365日で割るのか、366日か)、引き渡し日を買主・売主のどちらの負担にするかを、明確にしておきます。
次に決済の前に最新の納税通知書の写しを、不動産会社に渡し、精算額を事前に確認しておきます。納税通知書が見つからない場合は市の窓口で課税証明書や納税証明書を取得できます。
最後に精算金の受け渡しが、決済当日の精算書に正しく記載されているかを、確認しましょう。金額に疑問がある場合はその場で不動産会社に質問します。