空家法とは
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)は適切な管理が行われていない空き家が防災・衛生・景観などの面で地域に悪影響を及ぼしていることを受け、2014年に制定され、2015年に全面施行された法律です。
法律の目的は空き家の適切な管理と活用を促し、地域住民の生命・身体・財産を保護し、生活環境の保全を図ることです。
法律の主な内容
- 所有者等の責務:空き家等の適切な管理に努める(努力義務)
- 市町村の役割:空き家等の実態調査・データベースの整備・空家等対策計画の策定
- 特定空き家等への措置:助言・指導・勧告・命令・行政代執行
- 空き家の活用の促進:空き家バンク・活用促進区域などの、施策
市町村は空家等対策協議会を設置して、地域の実情に応じた、対策を進めることができます。
2023年12月の改正のポイント
- 管理不全空家の新設:特定空き家になる前の段階で市町村が指導・勧告を行える
- 勧告を受けた、管理不全空家は固定資産税の住宅用地特例が解除される場合がある
- 空家等活用促進区域:市町村が活用を促進する、区域を設定できる
- 空家等管理活用支援法人:空き家の管理・活用を支援する、法人を指定できる
- 所有者への、報告徴収・立入調査の強化
改正により、空き家対策が「予防」「活用」の面でも、強化されました。
所有者の責任
空き家の所有者には、空き家を適切に管理する、責務があります。管理を怠り、倒壊・屋根材の落下・草木の越境・不法投棄などにより、他人に損害を与えた場合は民法上の損害賠償責任を問われる場合があります。
また、市町村から助言・指導・勧告・命令を受けた場合は改善する必要があります。命令に従わない場合は過料(50万円以下)の対象となり、行政代執行により、解体されて、費用を請求される可能性があります。
売却・活用の選択肢
- 売却:古家付き・更地・買取などの、方法で手放す
- 賃貸:リフォームして、貸し出す(賃貸・民泊など)
- 空き家バンクへの登録:自治体が活用希望者とマッチングする
- 解体:更地にして、管理の負担をなくす(固定資産税の特例に注意)
- 管理代行サービスの利用:管理が難しい場合に専門業者に委託する
空家法は空き家の放置を防ぐだけでなく、活用を促す法律です。売却や活用の選択肢を検討しましょう。詳しくは、空き家バンクの項目をご覧ください。
相続した空き家の注意点
相続した空き家は相続人が所有者として、管理する責任を負います。相続登記が未了でも、管理責任はあります。相続登記の義務化(2024年4月)とあわせて、早めに、名義変更と管理・売却の方針を決めましょう。
また、相続した空き家を一定の要件で売却すると、3,000万円特別控除を受けられる特例もあります。詳しくは、相続空き家の3,000万円特別控除の項目をご覧ください。
モデルケース:法改正を受けて、早めに、売却した例(イメージ)
Aさんは、遠方に住み、実家を空き家のまま、数年間、放置していました。2023年の法改正を知り、管理不全空家になるリスクを考え、不動産会社に相談しました。
建物は傷んでいたため、買取で現況のまま、売却しました。固定資産税の特例解除や行政の指導を受ける前に手放せたため、安心できました。法改正が早期の決断を後押しした例です。