囲い込みとは何か
囲い込みとは、売主から売却を依頼された不動産会社が物件情報をレインズに登録しなかったり、登録しても、他社からの問い合わせに「商談中です」「すでに申込みがあります」などと答えて、紹介を断ったりして、自社で買主を見つけようとする行為をいいます。
不動産会社が売主と買主の両方から手数料を得る「両手仲介」を狙って行われることが多い、といわれています。売主から見ると、本来であれば、より早く、より良い条件で売れたかもしれない機会を失うことになり、不利益が大きい行為です。
専任媒介・専属専任媒介の場合、不動産会社は一定の期間内に物件情報をレインズへ登録する義務があります。登録だけをして、実質的には、他社の紹介を拒んでいるケースもあるため、登録の有無だけでなく、実際の対応を確認することが大切です。
囲い込みが売主に与える影響
- 買主の候補が限られ、売却期間が長引く
- 競争が働かず、成約価格が下がる可能性がある
- 売れ残った印象がつき、さらに価格が下がる悪循環に陥る
- 売主は囲い込みが行われていることに気づきにくい
とくに、売却を急いでいる場合や価格を重視したい場合は囲い込みの影響が大きくなります。数か月経っても内覧がほとんどないときは広告や価格だけでなく、他社への情報開示の状況も疑ってみる価値があります。
囲い込みを見抜くための確認方法
囲い込みを疑うときは次のような方法で確認できます。
- レインズの登録証明書を不動産会社から受け取る
- レインズ上の取引状況(「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止」など)を確認する
- 他の不動産会社に物件について、問い合わせてもらう(客を装った調査)
- 不動産会社に他社からの問い合わせ状況を報告してもらう
最近は国土交通省の制度整備により、レインズ上の取引状況の表示を売主が確認できる仕組みも進んでいます。不動産会社に取引状況の確認を求めることが抑止力にもなります。
囲い込みを防ぐための契約の選び方
囲い込みへの不安がある場合は一般媒介を選び、複数の会社に依頼する方法があります。複数社が競うため、1社だけが、情報を抱え込むことが難しくなります。
専任・専属専任で依頼する場合は契約前に他社からの紹介にも、誠実に対応してもらえるかを確認します。担当者が他社の紹介を歓迎する姿勢かどうかは、話し方からある程度わかるものです。
契約後も報告の内容をきちんとチェックしましょう。「問い合わせは来ているが、他社経由のものが少ない」といった状況が続く場合は確認をおすすめします。
囲い込みが疑われるときの対処
囲い込みが疑われるときはまず、不動産会社にレインズの登録内容と取引状況を確認します。説明に納得できない場合は期間満了を待って、会社を変える、一般媒介に切り替えるなどの対応を取ります。
不適切な対応があった場合は宅地建物取引業の監督官庁(都道府県の担当部署)や業界団体の相談窓口に相談することもできます。感情的にならず、記録(日付・やり取りの内容)を残しながら、冷静に対処しましょう。
売主が日頃からできる、囲い込み対策のチェック習慣
囲い込みへの備えは、特別なことではなく、日頃の確認の積み重ねです。まず、媒介契約を結ぶときに「他社から問い合わせがあった場合はすべて、私にも報告してください」と依頼しておきます。この一言があるだけで、担当者は他社の紹介を断りにくくなります。
次に報告書の中身を数字で確認します。問い合わせの件数、内覧の件数、断った件数の有無などを、尋ねましょう。内覧が極端に少ない場合は価格や広告に課題があるのか、情報が十分に共有されていないのか、原因を一緒に考えます。
三つ目に家族や知人に協力してもらい、別の不動産会社へ問い合わせてもらう方法もあります。「その物件を見たい」と連絡して、断られたり、不自然な返答があったりした場合は囲い込みの可能性を疑えます。こうした確認は会社への牽制にもなります。