積立金不足とは
修繕積立金は将来の大規模修繕工事に備えて、積み立てられます。しかし、新築時の積立金の設定が低く、数十年後の修繕費用に足りない場合や工事費の高騰で見込みの費用が増えた場合に積立金が不足することがあります。
不足した場合は次のような、対応が取られます。
- 修繕積立金の値上げ(月額の引き上げ)
- 一時金の徴収(区分所有者から一括して、追加で徴収する)
- 金融機関からの、借入(管理組合が借りる)
- 修繕の規模縮小・延期
いずれも、区分所有者の負担増や建物の劣化につながるため、注意が必要です。
値上げのパターン
- 段階増額積立方式:新築時は低く設定し、数年ごとに、段階的に引き上げる(当初から値上げが、予定されている)
- 均等積立方式:長期にわたって、一定額を積み立てる(値上げが、少ない)
- 不足の発覚による、臨時の値上げ:長期修繕計画の見直しで、不足が判明し、値上げされる
売却するマンションがどの方式かを、管理組合・管理会社に確認しましょう。
売却への影響
- 積立金が不足しているマンションは買主が将来の負担増を懸念し、敬遠する場合がある
- 値上げの予定があると、購入後の月々の支払いが、増えるため、価格が下がる要因になる
- 一時金の徴収が予定されている場合は売主・買主のどちらが、負担するかを、契約で明確にする
- 積立金が十分で計画的に運営されているマンションは買主の安心感が高く、評価される
管理組合の運営状況は重要事項調査報告書や総会議事録で確認できます。詳しくは、管理に関する重要事項調査報告書の項目をご覧ください。
売主が準備すること
- 修繕積立金の月額・総残高を確認する
- 長期修繕計画で必要な修繕費用と積立金の整合性を確認する
- 値上げの予定(時期・金額)を確認する
- 一時金の徴収の予定・過去の徴収履歴を確認する
- 管理組合の総会議事録(直近数年分)を確認する
- 買主の質問に答えられるよう、情報を整理する
詳しくは、長期修繕計画の項目をご覧ください。
一時金の負担の取り決め
売却の前後で一時金の徴収が決議されている場合は売主・買主のどちらが、負担するかが、問題になります。一般的には、一時金の徴収が決議された時点の区分所有者(売主)が負担する、または、引き渡し後の請求分を買主が負担するなど、取り決めが、さまざまです。
売買契約書で一時金の負担者を明記しておくことが重要です。決議されていなくても、予定されている場合は買主に告知しましょう。
モデルケース:積立金の状況を説明して、成約した例(イメージ)
Cさんは、築28年のマンションを売却しました。修繕積立金が数年前に値上げされ、長期修繕計画との、整合性が取れていることを管理組合の資料で確認しました。
Cさんは、重要事項調査報告書・長期修繕計画・総会議事録を買主に提示し、積立金の状況を説明しました。買主は安心して、購入を決めました。管理の透明性が買主の安心につながった例です。