長期修繕計画とは
長期修繕計画はマンションの共用部分を長期にわたって、適切に維持・管理するために将来、必要となる、修繕工事の時期・内容・概算費用を一覧にした、計画です。マンションの管理組合が作成・管理します。
計画に基づいて、必要な修繕積立金の月額が算定されます。計画がきちんと、作成・見直しされ、積立金と整合していれば、マンションの計画的な、維持管理が期待できます。
ガイドラインの考え方
- 計画期間:30年以上で大規模修繕工事を2回以上含む期間(新築時は25年以上から30年以上へ見直された)
- 見直し:5年程度ごとに、見直す(建物の劣化状況・工事費の変動・社会情勢を反映)
- 内容:外壁・屋上防水・鉄部塗装・給排水管・エレベーター・機械式駐車場・電気設備などの、修繕・更新
- 費用:概算の工事費・修繕積立金の収支計画
国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」「長期修繕計画作成ガイドライン」が参考になります。
売却時に確認されること
- 長期修繕計画が作成されているか
- 計画の作成時期・直近の見直し時期(古い計画は実態と合わない場合がある)
- 計画上の大規模修繕の時期と現在の実施状況
- 修繕積立金の残高・月額と計画との整合性
- 計画に基づく、将来の値上げの予定
買主は計画の内容から将来の負担を見通します。売主は管理会社・管理組合から資料を取得できる場合があります。
計画の見方
長期修繕計画には、修繕項目ごとに、実施予定年・概算費用が記載されています。たとえば、「築12年目:外壁塗装・屋上防水(約○千万円)」「築24年目:大規模修繕2回目・給排水管の更新」などです。
計画の年数が古く、見直されていない場合は工事費の高騰・劣化状況の変化が反映されていない可能性があります。買主にとっては、将来の負担が増える、リスクがあるため、慎重に判断されます。
売却前にできること
- 管理組合・管理会社に長期修繕計画の写しを、依頼する
- 計画の見直し状況・修繕積立金との整合性を確認する
- 直近の総会議事録で修繕に関する議論・決議を確認する
- 買主の質問に答えられるよう、情報を整理する
管理組合が計画の見直しを、実施していない場合は売却前に管理組合に見直しを、働きかけることもできますが、売主の立場では、限界があります。
計画がない・古い場合
長期修繕計画が作成されていない、または、古いまま、見直されていないマンションは将来の修繕費用が不明確で買主から敬遠される場合があります。その場合は管理会社に作成・見直しを、依頼する、管理組合に働きかけるなどの方法があります。
売却の際は計画がない事実を正直に伝え、価格への影響を織り込んで、売却します。詳しくは、大規模修繕工事の履歴、修繕積立金の不足と値上げの項目をご覧ください。
モデルケース:長期修繕計画を説明して、成約した例(イメージ)
Dさんは、築22年のマンションを売却しました。管理会社から直近3年以内に見直された、長期修繕計画を取り寄せ、買主に提示しました。計画上、2回目の大規模修繕が5年後に予定され、積立金も計画に見合った額が積み立てられていました。
買主は計画を確認し、将来の負担を見通して、購入を決めました。計画の透明性が買主の安心につながった例です。