管理費等の滞納とは
管理費・修繕積立金・駐車場使用料などを、期限までに、支払わず、未納の状態になっていることを滞納といいます。滞納が続くと、管理組合から督促を受け、遅延損害金・弁護士費用が加算されたり、法的措置(訴訟・競売)が取られたりする場合があります。
滞納の背景には、収入の減少・病気・失業・相続した物件の放置などさまざまな事情があります。
売却時の影響
- 区分所有法第8条により、滞納された管理費等の債権は区分所有権の特定承継人(買主など)に対しても、行使できる。このため、買主が滞納分を支払う責任を負う可能性がある
- 買主は滞納の事実を知ると、売買契約をためらう
- 重要事項調査報告書に滞納の事実が記載され、買主に説明される
- 滞納を決済までに、清算しないと、売却が成立しない場合がある
売主は買主に迷惑をかけないよう、滞納を清算することが基本です。
清算の方法
- 管理会社に滞納額(元金・遅延損害金・督促費用)を確認する
- 売却代金が入る前に自己資金で清算できる場合は清算する
- 売却代金から決済時に清算する(買主・管理会社の了承を得て、精算する)
- 清算後、管理会社から滞納がない旨の証明(重要事項調査報告書)を取得する
滞納額が大きい場合は決済の際に売却代金から直接、管理会社に支払う方法が取られることがあります。
ローン残債との関係
住宅ローンの残債がある場合は売却代金からローンの完済・滞納の清算・諸費用を差し引く必要があります。滞納額が大きいと、手取りが、減り、オーバーローンになる可能性があります。
詳しくは、オーバーローン、手取り額の計算方法の項目をご覧ください。
滞納が長期化している場合
- 管理組合が法的措置(訴訟・競売請求)を取っている場合がある
- 競売・差押えの手続きが、進んでいる場合は売却が複雑になる
- 弁護士・司法書士・不動産会社に早めに、相談する
- 任意売却を検討する場合もある
放置すると、状況が悪化し、選択肢が狭まります。早めの相談が重要です。詳しくは、任意売却の項目をご覧ください。
買主への説明
売却の際、滞納がある場合は不動産会社を通じて、買主に事実を伝え、清算の方法を説明します。決済までに、清算し、「滞納なし」の状態で引き渡すことが買主の安心につながります。
売主は滞納の理由・清算の見込みを、不動産会社に正直に伝えましょう。隠すと、後でトラブルになります。
モデルケース:決済時に滞納を清算した例(イメージ)
Hさんは、数か月分の管理費・修繕積立金を滞納していました。マンションを売却するにあたり、管理会社に滞納額を確認し、決済の際に売却代金から滞納額と遅延損害金を管理会社に支払いました。
決済後、管理会社から滞納が清算された旨の確認を受け、買主に負担は生じませんでした。事前の確認と決済時の清算がスムーズな売却につながった例です。