3つの価格の違い
不動産の売却では、「査定価格」「売り出し価格」「成約価格」という、3つの価格が登場します。それぞれの意味を理解しておくことが大切です。
- 査定価格:不動産会社が物件を調査して、算出する、売却可能価格の目安
- 売り出し価格:売主と不動産会社が相談して、決める、広告に掲載する価格
- 成約価格:買主との交渉を経て、売買契約で合意した、最終的な価格
査定価格は売却のスタート地点の目安であり、成約価格は売却の結果です。
売り出し価格と成約価格の差
売り出し価格と成約価格の間には、差が生じることが一般的です。買主は価格交渉(指値)を行うことが多く、売り出し価格から数%〜1割程度、下がって、成約する場合もあります。
このため、売主は売り出し価格を設定する際に値引き交渉の余地を考慮するのが、一般的です。ただし、高すぎる売り出し価格は反響が少なくなり、売却が長引く原因になります。詳しくは、指値の項目をご覧ください。
査定価格が成約価格とずれる理由
- 市場の動き:査定後に市況が変わる(金利の変動・周辺の売り出し状況)
- 買主の事情:買主の予算・購入意欲・住宅ローンの審査
- 交渉の結果:指値や条件交渉による、価格の調整
- 物件の見せ方:内覧時の印象・写真・広告の質
- 査定の精度:机上査定は精度が低く、実際とずれやすい
査定価格は「このくらいで、売れそう」という、目安であり、成約価格を保証するものでは、ありません。
売主が気をつけること
- 高い査定額を鵜呑みにせず、根拠を確認する
- 査定価格をそのまま、売り出し価格にしない。周辺の売り出し状況を確認する
- 成約価格の水準(レインズ・マーケットインフォメーションなど)を確認する
- 売却後の手取りを、成約価格ベースで試算する
- 反響が少ないときは価格を見直す
査定価格に過度な期待を持たず、成約価格を現実的に見込んで、資金計画を立てましょう。
成約価格の調べ方
成約価格(実際に売れた価格)を調べる方法は次のとおりです。
- レインズ・マーケットインフォメーション:成約事例にもとづく、価格情報
- 国土交通省の不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報):アンケートにもとづく、取引価格
- 不動産会社:自社の成約事例や周辺の事例を示してもらう
詳しくは、レインズ・マーケットインフォメーションの項目をご覧ください。
モデルケース:査定価格と成約価格の差(イメージ)
Qさんは、不動産会社から3,300万円の査定価格を示され、3,500万円で売り出しました。数週間後、買主から3,200万円の指値が入りました。交渉の結果、3,300万円で成約しました。
売り出し価格(3,500万円)・査定価格(3,300万円)・成約価格(3,300万円)の関係を理解していたQさんは、冷静に交渉できました。それぞれの価格の違いを、知ることで、売却の見通しが、立てやすくなる例です。