老朽家屋のリスク
人が住まなくなった家は換気・清掃・修繕が行われず、急速に劣化します。屋根・外壁・基礎・柱などが、傷み、台風や地震、大雪などの際に倒壊したり、部材が落下したりする、危険が高まります。
老朽化した、家屋は所有者だけの問題では、なく、近隣住民や通行人の安全にも、関わります。所有者には、適切に管理する責任があります。
主なリスク
- 倒壊・崩落:地震・台風・積雪などで、建物が倒れたり、屋根・外壁が落下したりする
- 火災・放火:人の出入りが、ない家は放火の標的になりやすく、延焼の危険がある
- 不法侵入・犯罪:空き家が不審者の溜まり場になる
- 不法投棄:敷地内にごみが、捨てられる
- 害虫・害獣:シロアリ・ネズミ・ハクビシン・蜂の巣などが、発生し、近隣に被害が及ぶ
- 景観の悪化・悪臭:草木の繁茂・ごみの散乱で地域の環境が悪化する
これらのリスクが現実となった場合、所有者が責任を問われる可能性があります。
所有者の責任
民法第717条の工作物責任により、建物の設置・保存に瑕疵があって、他人に損害を与えた場合、所有者は損害賠償の責任を負います。管理を怠った場合は過失の有無にかかわらず、所有者が責任を負う場合があります(占有者が損害防止に必要な注意をした場合を除く)。
また、空家法にもとづき、特定空き家に指定されると、助言・指導・勧告・命令・行政代執行の対象になります。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除されます。詳しくは、特定空き家の項目をご覧ください。
リスクを減らす管理
- 定期的な、見回り(月1回程度)・換気・通水
- 庭木の剪定・草刈り・ごみの撤去
- 屋根・外壁・塀の点検と必要な、補修
- 施錠の確認・防犯対策
- 郵便物・チラシの整理(長期不在の印象を与えない)
- 管理が難しい場合は管理代行サービスを利用する
詳しくは、空き家の管理義務、空き家の管理代行サービスの項目をご覧ください。
売却・解体の判断
老朽化が進んだ家屋は修繕して、使うことが難しく、管理の費用負担も重くなります。早期に売却(古家付き・買取)や解体(更地渡し)を検討することがリスクの軽減につながります。
- 売却:古家付き・現況渡し・買取で手放す
- 解体:更地にして、倒壊などの、リスクをなくす(固定資産税の特例に注意)
- 補助金:自治体の解体補助制度の利用を検討する
詳しくは、解体費用の考え方の項目をご覧ください。
相続した空き家の注意
相続した空き家は遠方に住んでいる、相続人が管理を怠りがちです。相続登記の義務化や空家法の改正で所有者の責任がこれまで以上に重視されています。相続が発生したら、早めに、名義を整理し、管理・売却の方針を決めましょう。
詳しくは、相続登記の義務化の項目をご覧ください。
モデルケース:老朽家屋の放置から売却に至った例(イメージ)
Yさんは、相続した、築50年の空き家を遠方から管理できず、数年間、放置していました。ある日、台風で屋根の一部が飛び、隣家の車を傷つけてしまいました。
Yさんは、損害を賠償し、その後、空き家を買取業者に現況のまま、売却しました。放置のリスクが現実になった例ですが、早期に売却していれば、避けられた可能性があります。