内覧とは何か
内覧とは、購入を検討している人(購入希望者)が売り出し中の物件を訪れ、室内や設備、日当たり、周辺環境などを、実際に見学することをいいます。インターネットの写真や図面だけでは、わからない、広さの感覚、においや音、周辺の雰囲気を確かめる場であり、購入するかどうかを判断する、最も重要な機会です。
戸建てや、マンションの売却では、内覧を経ずに購入が決まることは少なく、売却活動の成否は内覧の対応に大きく左右されます。土地の場合は現地案内として、境界や周辺環境を確認してもらうのが一般的です。
買主が内覧で見ているポイント
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ・洗面所)の清潔さと、設備の状態
- 収納の広さと、使い勝手
- 日当たり・通風・眺望・騒音
- 間取りの使いやすさと、動線
- 建物の傷み(雨漏り跡、ひび割れ、床の傾き)
- 周辺環境(駅までの道、買い物の便、近隣の雰囲気)
買主は写真では、気づけなかった点を細かく見ています。とくに、水回りの汚れや、においは、強い印象を残します。
内覧前の準備
内覧の前には、玄関と水回りを重点的に掃除し、不要な物を片付けて、部屋を広く見せます。すべての部屋の照明をつけ、カーテンを開けて、明るさを演出しましょう。換気をして、ペットや生活のにおいがこもらないようにします。
庭や外まわりも、第一印象を左右します。草を取り、ごみを片付け、玄関まわりを整えるだけでも、印象は変わります。高額なリフォームをしなくても、「清潔で明るく、すっきり」を整えることが最も費用対効果の高い対策です。
また、設備の不具合や気になる点はあらかじめ把握し、聞かれたら、正直に答えられるようにしておきます。
内覧当日の対応
内覧に売主が立ち会うかどうかは、不動産会社と相談して決めます。売主が不在のほうが、買主が気兼ねなく見られるため、不動産会社に案内を任せるケースも多くあります。居住中で立ち会う場合は売り込みすぎず、質問されたことに答える姿勢で対応しましょう。
ペットは事前に預けるなどの配慮をします。貴重品は見えない場所にしまっておきます。値引きの交渉などは、その場で答えず、不動産会社を通して、返答します。
内覧のあとは買主の感想や気になった点を不動産会社から聞き、価格や見せ方の改善に活かします。
内覧が少ない・決まらないときの見直し
売り出しても、内覧の申し込みが少ない場合は価格・写真・広告文が買主の期待に合っていない可能性があります。内覧はあるのに、決まらない場合は現地の印象や室内の状態に課題があるかもしれません。
不動産会社と反響の数と内覧後の感想を共有し、価格の見直し、写真の撮り直し、清掃や小さな補修など改善策を優先順位をつけて進めましょう。
内覧で避けたいNG行動
- 不具合や近隣トラブルなどの事実を隠す
- 買主の前で不動産会社と値引きの相談をする
- 購入をしつこく勧める
- 室内が暗く、散らかったまま案内する
- 貴重品を見える場所に置いたままにする
売主として、誠実に対応することが結果的にスムーズな売却につながります。詳しくは、内覧・買主対応のポイントも、ご覧ください。
モデルケース:内覧の工夫で印象が変わった例(イメージ)
築25年の戸建てを売却しているAさんは、売り出しから2か月経っても、内覧が数件しかなく、いずれも成約に至りませんでした。不動産会社と相談したところ、「写真は暗く、室内に物が多くて、狭く見える」という指摘を受けました。
そこでAさんは、使っていない家具や衣類をトランクルームへ移し、水回りのカビや水アカを徹底的に掃除しました。内覧の日には、すべての照明をつけ、カーテンを開けて、明るさを演出しました。写真も明るい時間帯に撮り直しました。
その結果、内覧後の感想が「思ったより広くて、きれい」という内容に変わり、2週間後に購入の申込みが入りました。この例のように、大きな費用をかけなくても、整理・清掃・明るさの工夫で印象は大きく変わります。