価格交渉とは
不動産の売買では、買主が売り出し価格より低い価格を提示し、売主と価格を調整することが一般的です。これが、価格交渉(指値交渉)です。売主・買主の双方が納得できる価格と条件で合意することが目標です。
交渉は通常、不動産会社が売主と買主の間に入って、行います。売主は不動産会社と連携して、方針を決めながら、進めます。
交渉の準備
- 手取りの下限を決める(ローン完済・諸費用・税金を差し引いて、最低限、必要な額)
- 売却の期限(急ぐか、待てるか)を整理する
- 周辺の成約事例・競合物件の状況を把握する
- 価格以外の譲れる条件(引き渡し時期・設備の残置など)を整理する
- 他の買主の見込みを、確認する
あらかじめ、方針を決めておくと、交渉の場で迷わず、対応できます。
交渉の進め方
- 買付証明書(購入申込書)で買主の希望条件を確認する
- 手取りの試算を行い、受け入れ可能な、価格の範囲を確認する
- 受け入れる・断る・カウンター(条件変更)を決める
- 不動産会社を通して、買主に返答する
- 買主の再回答を受け、必要に応じて、再調整する
- 合意に至ったら、売買契約の準備に進む
交渉は1〜数回のやり取りで、決着することが多いです。
価格以外の条件交渉
価格の値引きが、難しい場合でも、他の条件で調整できる場合があります。
- 引き渡し時期の柔軟な対応
- 設備(エアコン・照明など)の残置
- 測量・境界確認の実施の有無
- 契約不適合責任の範囲・期間
- 手付金の額
- 残置物の扱い
これらの条件を買主の希望に合わせることで、価格の値引き幅を抑えられる場合があります。
交渉のNG行動
- 感情的になる・買主を非難する
- 売り出し価格に固執して、一切、応じない(反響を失う)
- 下限を決めずに、その場で判断する
- 口約束で条件を決める(書面で確認する)
- 他の買主の存在を偽って、揺さぶる
誠実で冷静な、対応が結果的により良い条件での、合意につながります。
交渉がまとまらない場合
価格や条件が折り合わない場合は交渉を打ち切り、別の買主を探すことも選択肢です。ただし、他の買主が現れる保証はありません。売却の期限や物件の状況を考慮して、判断しましょう。
また、反響が少ない物件で買主が現れた場合は多少の値引きに、応じて、成約を優先する、という判断もあります。不動産会社の見解を聞きながら、決めましょう。
モデルケース:価格と条件の組み合わせで、合意した例(イメージ)
売出価格3,000万円の物件に買主が2,700万円の指値を入れました。売主は手取りの下限を考慮し、2,900万円を提示しました。買主は2,800万円を再提示し、条件として、「引き渡しを、早めたい」と申し出ました。
売主は新居の準備が整っていたため、引き渡し時期を早める代わりに、価格は2,850万円で合意しました。価格と引き渡し時期の組み合わせで、双方が納得できた例です。