不動産鑑定評価とは
不動産鑑定評価とは、不動産鑑定士が不動産の鑑定評価に関する法律に基づき、不動産鑑定評価基準に従って、不動産の経済価値を判定し、その結果を価額で表示することです。不動産鑑定士は国家資格で不動産の価格に関する、専門家です。
鑑定評価は公正・中立な立場で客観的に行われ、鑑定評価書として、発行されます。裁判所や税務署などの公的機関でも、信頼性の高い資料として、扱われます。
不動産会社の査定との違い
- 目的:査定は売却活動のための、価格の目安。鑑定評価は公的・法的な目的のための、経済価値の判定
- 担当:査定は不動産会社の担当者。鑑定評価は不動産鑑定士(国家資格)
- 根拠:査定は会社の基準・経験。鑑定評価は不動産鑑定評価基準
- 費用:査定は無料が多い。鑑定評価は有料(数十万円〜)
- 効力:査定は売却の目安。鑑定評価は法的な証拠としても、使える
売却の目安を知るだけなら、不動産会社の査定で十分です。鑑定評価が必要になるのは、特別な場合に限られます。
鑑定評価が使われる場面
- 相続:遺産分割で不動産の価値を公平に評価したいとき
- 離婚:財産分与で不動産の価値を客観的に評価したいとき
- 訴訟・調停:裁判で不動産の価値が争点になるとき
- 税務:親族間の売買で時価を証明したいとき(低額譲渡・みなし贈与の確認)
- 担保評価:金融機関が融資の担保として、評価するとき
- 公共事業:用地買収の価格を算定するとき
とくに、相続や親族間売買では、鑑定評価書が公平性の証明に役立ちます。詳しくは、贈与税と不動産売却の項目をご覧ください。
鑑定評価の手法
不動産鑑定評価では、次の3つの手法を用います。
- 原価法:再調達原価から減価修正を差し引いて、価格を求める
- 取引事例比較法:類似の取引事例と比較して、価格を求める
- 収益還元法:将来の収益から価格を求める
対象不動産の種類に応じて、複数の手法を適用し、結果を総合的に検討して、鑑定評価額を決定します。
依頼の方法と費用
不動産鑑定評価は不動産鑑定事務所に依頼します。費用は不動産の種類・規模・評価の目的によって、異なり、一般に数十万円から数百万円です。評価書の作成には、数週間かかる場合があります。
依頼する際は評価の目的(相続・売却・訴訟など)、評価の時点、評価の条件を明確に伝える必要があります。
モデルケース:相続で鑑定評価を利用した例(イメージ)
Nさんと、弟は親から相続した、土地の遺産分割で土地の価値について、意見が分かれ、揉めていました。兄は「高い」、弟は「安い」と主張していました。
そこで、2人は不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し、客観的な、価格を算出してもらいました。評価書の価格を基準に遺産分割の話し合いを、進め、円満に合意できました。鑑定評価が紛争の予防に役立った例です。