「待てば、高く、売れる」と考える理由
不動産の売却を検討している方の中には、「今は価格が低いかもしれない」「あと少し待てば、上がるのでは」と考えて、売却を先延ばしにする方がいます。近隣の再開発のニュース、周辺の価格上昇の話を聞くと、さらに、期待が高まります。
しかし、将来の価格は専門家でも、正確に予測できません。期待に反して、価格が下がる可能性もあります。
待つことで、生じる、リスク
- 建物の老朽化・価値の低下:築年数が経つほど、建物の評価は下がる傾向
- 維持費の負担:固定資産税・都市計画税・管理費・修繕積立金・火災保険料
- ローンの利息:返済が続く間は利息が発生する
- 空き家のリスク:管理不足による、劣化・近隣トラブル・特定空家(管理不全空家)の指定
- 市況の悪化:金利の上昇・景気の変動で需要が弱まる可能性
- 税制・特例の期限切れ:特例が使えなくなる可能性
- 個人の事情の変化:相続・病気・転勤などで、売却が難しくなる
詳しくは、空き家とは、制度改正と売却時期の項目をご覧ください。
待つコストを計算する
- 1年待つ間にかかる、固定資産税・管理費・維持費・利息の合計を計算する
- その費用を上回る、値上がりが、見込めるかを、考える
- 見込めない場合は早く、売却した方が有利な場合がある
- 建物の劣化による、価格の下落分も考慮する
「待つ」ことにも、コストがかかることを数字で確認すると、冷静に判断できます。
売却の判断基準
売却の判断は「いつ、最高値で売れるか」ではなく、「売りたい理由・期限・必要な手取り」を基準に考えることが大切です。たとえば、住み替え・相続・離婚・資金の必要など売却の目的がはっきりしている場合は条件が整った時が実質的な、売り時です。
- まず、査定を受け、現在の価値と手取りを、把握する
- 売却の期限・目的を整理する
- 待つ場合のリスク・コストを確認する
- 複数の選択肢(仲介・買取・賃貸・活用)を比較する
詳しくは、売却時期の考え方の項目をご覧ください。
待つ判断が妥当な場合
- 売却の期限・必要性がなく、維持費の負担が小さい
- 特例の期限・税金の節目を待つ方が有利(例:所有期間が5年を超える)
- 活用(賃貸・自己利用)の可能性を検討している
- 不動産会社が根拠を持って、時期を助言している
待つ場合でも、期限・コスト・リスクを確認した上で判断しましょう。
モデルケース:待たずに、売却して、よかった例(イメージ)
Llさんは、相続した実家を「再開発のうわさがあるから、もう少し、待てば、高く売れる」と考えて、数年、放置していました。その間、建物は老朽化し、固定資産税・管理の負担も続きました。
不動産会社に相談し、現状の査定を受けたところ、建物の評価が下がっており、待った間の費用も考慮すると、早く売る方が有利だったかもしれない、と、わかりました。待つコストを確認することの、大切さを、示す例です(イメージ)。