引渡し後の値引き交渉(修補請求)とは?

引き渡し後の値引き交渉(修補請求)とは、物件の引き渡しを終えた後に買主が不具合や契約内容との相違を理由に売主に対して、補修・代金の減額・損害賠償などを、求めてくることです。契約不適合責任にもとづく請求の一種で告知内容・契約書の特約・証拠の有無によって、対応が分かれます。

この用語のポイント

  • 引き渡し後に買主から「不具合があった」として、補修費用・値引きを、求められる
  • 契約不適合責任の範囲・期間内か、告知済みかが、判断の基準になる
  • 対応は事実確認・契約書の確認・現地調査・専門家への相談の順に進める
  • 感情的にならず、書面で記録を残しながら、協議する
Index

このページの目次

よくある請求の例

  • 引き渡し後に雨漏り・シロアリ・設備の故障が見つかり、補修費用を請求された
  • 面積・間取りが、契約内容と異なると、主張された
  • 付帯設備(エアコン・給湯器・照明)が故障していて、修理費用を請求された
  • 売主の説明と異なる、近隣の状況(騒音・日照)を理由に値引きを、求められた
  • 境界・越境の問題が判明し、解決費用を請求された

請求の内容は補修・代金の減額・損害賠償・契約解除などさまざまです。

売主の責任の判断

  • 契約書の特約:契約不適合責任の免責・期間・範囲がどう定められているか
  • 告知の有無:物件状況報告書・付帯設備表に記載されていたか(記載済みなら、責任を問われにくい)
  • 売主の認識:売主が不具合を知っていたか(知っていて告げなかった場合は特約があっても、責任を免れない)
  • 通知の期間:買主が不適合を知った時から1年以内(または、特約の期間内)に通知したか
  • 不具合の発生時期:引き渡し前から存在していたか(引き渡し後の経年劣化は売主の責任外)

詳しくは、契約不適合責任の項目をご覧ください。

対応の手順

  1. 買主の連絡内容を記録し、不動産会社に報告する
  2. 現地を確認し、不具合の内容・程度・原因を把握する(写真・調査報告書)
  3. 契約書・告知書・付帯設備表・修繕履歴を確認する
  4. 責任の有無・範囲を判断する(必要に応じて、弁護士に相談)
  5. 買主と協議し、補修・減額・費用の分担などを、決める
  6. 合意した内容を書面(合意書)に残す

仲介した不動産会社が間に入って、調整してくれる場合が多いです。

対応の基本姿勢

  • 感情的にならず、事実と契約書に基づいて、対応する
  • 「請求されたから、すぐに、応じる」「無視する」のどちらも、避ける
  • 調査・見積もりを、取り、請求額の妥当性を確認する
  • 責任がない場合は根拠を示して、丁寧に説明する
  • 責任がある場合は誠実に対応し、早期解決を目指す

対応が遅れると、関係が悪化し、紛争が長期化します。

予防策

  • 売却前にインスペクションで不具合を把握・告知する
  • 告知書・付帯設備表を正確に記載する
  • 契約書の特約(責任の期間・範囲)を明確に定める
  • 引き渡し時の状態を写真で記録する
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入する

詳しくは、契約不適合責任への備えの項目をご覧ください。

相談先

  • 仲介した不動産会社
  • 弁護士(法的な判断・交渉・訴訟)
  • 建築士・インスペクション会社(不具合の原因・修繕費の判断)
  • 宅地建物取引業協会などの、相談窓口
  • 自治体の消費生活センター・不動産取引の相談窓口

早めに、相談することで、解決の選択肢が広がります。

モデルケース:告知書が役立った例(イメージ)

Oさんは、築35年の戸建てを、売却しました。物件状況報告書に「給湯器は築12年で経年劣化の可能性あり」と記載し、契約書には、設備の動作保証をしない旨を定めていました。

引き渡しから、1か月後に給湯器が故障し、買主から修理費用の請求がありました。Oさんは、告知書・契約書を示し、売主に責任がないことを説明しました。買主は納得し、トラブルには、なりませんでした。告知書と特約が売主を守った例です。

さいたま市で売却する場合の視点

さいたま市内の築年数が経った戸建て・マンションの売却では、引き渡し後の設備の故障や不具合を理由に買主から請求を受けることがあります。仲介した不動産会社を窓口に冷静に対応しましょう。解決が難しい場合は埼玉県の宅建協会の相談窓口や弁護士に相談できます。

Checklist

引渡し後の値引き交渉(修補請求)のチェックリスト

売却を進める前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 契約書の特約(責任の範囲・期間)を確認した
  • 告知書・付帯設備表の記載を確認した
  • 不具合の内容・時期を確認した
  • 不動産会社に報告した
  • 必要に応じて、専門家に相談した
FAQ

引渡し後の値引き交渉(修補請求)に関するよくある質問

Q引き渡し後に請求されたら?
契約書・告知書を確認し、不動産会社に報告して、対応を相談します。
Q売主の責任はいつまで、ですか?
特約で定めた期間(個人売主は3か月などが、一般的)です。知っていて告げなかった事実は期間にかかわらず、責任を問われる可能性があります。
Q設備の故障は売主の責任ですか?
付帯設備表の記載・契約書の特約によります。「動作保証なし」と定めていれば、責任を負わない場合が多いです。
Q請求額が高すぎる場合は?
見積もり・調査で妥当性を確認し、交渉します。弁護士に相談する方法もあります。
Q無視しても、よいですか?
避けましょう。対応が遅れると、紛争が長期化します。
Q保険は使えますか?
既存住宅売買瑕疵保険に加入していれば、補修費用をカバーできる場合があります。
Related

関連する大辞典の項目

あわせて理解しておきたい、関連項目です。

  • 契約不適合責任:契約不適合責任とは、売主が買主に引き渡した不動産が契約の内容に適合しない場合に売主が負う責任です。2020年4月の民法改正で従来の「瑕疵担保責任」に代わって…
  • 契約不適合責任トラブル:契約不適合責任トラブルとは、売却した不動産に契約内容と異なる不具合が見つかり、買主から補修・代金減額・損害賠償・契約解除を請求されて、売主と買主の間で争いに…
  • 付帯設備表・物件状況等報告書:付帯設備表・物件状況等報告書(告知書)とは、売主が物件の設備の状況(エアコン・給湯器など)や物件の不具合・近隣の事情などを、買主に伝えるために作成する、書類…
  • 物理的瑕疵の告知:物理的瑕疵の告知とは、建物や土地に雨漏り、シロアリ被害、構造部の腐食、給排水管の故障、地盤の沈下、土壌汚染など物理的な欠陥がある場合に売主が買主に対して、そ…
  • 14. 契約不適合責任への備え:契約不適合責任への備えとは、売却後に買主から契約不適合責任を問われる事態を避ける、または、軽減するために売却前・売却時・売却後に売主が取るべき対策のことです…
  • 既存住宅売買瑕疵保険:既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅の売買で検査に合格した住宅に売却後、構造上の不具合や雨漏りなどの、欠陥が見つかった場合に補修費用を保険金でまかなえる保険で…
  • 心理的瑕疵の告知トラブル:心理的瑕疵の告知トラブルとは、不動産の過去の出来事(自殺・他殺・孤独死など)や周辺の嫌悪施設などを、売主が買主に告知しなかった、または、不十分だったために売…
  • 境界トラブル:境界トラブルとは、隣接する土地の所有者との間で境界の位置を巡って、意見が食い違い、争いになることです。境界標の亡失・移動、古い測量図の不正確さ、塀や建物の越…
Read More

あわせて読む

この用語に関連する、当サイトのページです。

引渡し後の値引き交渉(修補請求)に関するご相談も承ります

さいたま市で不動産の売却をお考えの方へ。査定・ご相談は無料、秘密厳守です。お電話またはメールでお気軽にお問合せください。

電話で相談 メール相談