仲介手数料とは
仲介手数料とは、不動産会社に売買の仲介(媒介)を依頼して、売買契約が成立したときに支払う報酬です。法律上は「報酬」と呼ばれ、成功報酬のため、売買契約が成立しなければ、支払う必要はありません。広告費や案内にかかった経費は原則として、仲介手数料に含まれており、別途、請求されることはありません(依頼者の特別な依頼による、特別な費用を除く)。
仲介手数料は売主・買主の双方からそれぞれ、受け取ることができます。不動産会社が売主・買主の両方を仲介する「両手仲介」の場合、1つの取引で2つ分の手数料を得ることになります。
仲介手数料の上限額の計算方法
宅地建物取引業法では、売買価格に応じて、次の上限が定められています(消費税を除く)。
- 200万円以下の部分:売買価格の5%
- 200万円を超え、400万円以下の部分:売買価格の4%
- 400万円を超える部分:売買価格の3%
実務では、速算式として、売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が上限となります。たとえば、売買価格が3,000万円の場合、上限は(3,000万円×3%+6万円)=96万円に消費税10%を加えて、105万6,000円です。これは「上限」であり、実際の報酬額は不動産会社との合意で決まります。
低価格の物件の特例
売買価格が低い不動産については、不動産会社の調査費用などを考慮して、報酬の上限を特例的に引き上げる制度があります。2018年に400万円以下の低廉な空き家等で設けられた特例は2024年7月に800万円以下の宅地・建物に拡大されました。
この特例は一定の物件について、現地調査などに要する費用を含めて、受け取れる上限額が定められています。適用の条件は物件の種類や契約内容によって異なるため、依頼する不動産会社に確認しましょう。詳しくは、低価格の物件の手数料の項目をご覧ください。
仲介手数料を支払う時期
仲介手数料は成約後に支払うのが原則です。一般的には、売買契約の締結時に半額、決済・引き渡し時に残りの半額を支払う方法が多く見られます。会社によっては、引き渡し時に全額を支払う場合もあります。
支払い方法や時期は媒介契約書に記載されています。契約前に金額・支払い時期・支払い方法を確認しておきましょう。
仲介手数料の注意点
- 上限を超える請求は認められない(超えた分は返還を求められる)
- 広告費など通常の営業活動の費用は手数料に含まれる
- 売主の依頼による、特別な広告(遠方への出張など)は別途請求される場合があるため、事前に確認する
- 「手数料無料」「半額」をうたう会社もあるため、サービス内容の違いを、確認する
- 仲介手数料は譲渡所得の計算で「譲渡費用」として、差し引ける
手数料の安さだけで会社を選ぶと、売却活動が不十分になるリスクもあります。手数料とサービスの内容を総合して判断しましょう。
モデルケース:手取りへの影響(イメージ)
売買価格3,500万円で売却した場合の仲介手数料の上限は(3,500万円×3%+6万円)=111万円に消費税を加えた、約122万円です。ローン残債が2,000万円、その他の費用が50万円の場合、手取りは、約1,328万円(税金を除く)になります。
もし、仲介手数料が上限の半額であれば、手取りは約61万円増えます。ただし、手数料が安い会社が必ずしも、売却活動が不十分とは限りません。サービスの内容と実績を比べて、納得して選びましょう。
仲介手数料にまつわる、よくある誤解
誤解1:「手数料は一律で決まっている」。実際には、法律が定めているのは、上限です。上限の範囲内で会社が設定するため、会社ごとに、金額やサービスの内容は異なります。
誤解2:「手数料が高い会社は良い会社」。手数料はサービスの質を保証するものではありません。販売活動の内容、実績、担当者の対応で総合的に判断しましょう。
誤解3:「手数料以外は一切かからない」。通常の営業活動の費用は手数料に含まれますが、売主の特別な依頼による費用(遠方での出張調査など)や測量・解体・登記などの費用は別にかかります。契約前に何が含まれて、何が含まれないかを、確認しておきましょう。