共有物分割とは
共有物分割とは、複数人で共有している財産(不動産など)を共有者の間で分けて、個別の所有にする手続きです。共有は売却・活用の自由が制限されるため、解消したいという、ニーズがよくあります。
民法では、各共有者は原則として、いつでも、共有物の分割を請求できる、とされています(契約で一定期間、分割しない旨の定めがある場合を除く)。
3つの分割方法
- 現物分割:土地を物理的に分ける(分筆して、各自が取得する)。分割した、土地の形状・面積・接道が課題
- 換価分割:不動産を売却して、代金を持分に応じて、分ける。最もシンプルで公平
- 代償分割:一方が不動産全体を取得し、他の共有者に持分に応じた、代償金を支払う。取得する側の資力が必要
実務では、換価分割が最も選ばれることが多いとされます。
協議から裁判までの流れ
- 共有者間で協議を行い、分割の方法に合意する
- 合意できれば、分割協議書を作成し、登記・売却の手続きへ
- 合意できない場合は裁判所に共有物分割の訴えを提起する
- 裁判所が現物分割・競売による換価などを、命じる(裁判所の判断)
- 確定した内容に従って、登記・売却の手続きを、行う
裁判では、競売による分割が命じられることもあり、市場での売却より低い価格になる可能性があります。可能な限り、協議で解決するのが、望ましいです。
売却して分ける場合
換価分割で売却する場合は共有者全員が売主として、売買契約を結びます。売却代金からローンの残債・仲介手数料・登記費用などを、差し引き、残りを、持分に応じて、分配します。
不動産会社に査定を依頼し、全員が納得できる、価格・売り方・時期を話し合いましょう。詳しくは、共有名義の項目をご覧ください。
税金と登記
- 売却による分割:各共有者が持分に応じて、譲渡所得を計算し、申告する
- 代償分割:代償金を受け取った人に譲渡所得が課される場合がある(原則として、譲渡があったと、みなされる場合)
- 現物分割:分筆登記・所有権移転登記が必要。登録免許税・司法書士報酬がかかる
- 相続による共有の場合は遺産分割の枠組みでの、解決もある(共有物分割とは、別の手続き)
税務上の取り扱いは、複雑なため、税理士に相談しましょう。
モデルケース:換価分割で解消した例(イメージ)
Iさんと弟さんは、相続した実家を共有していました。話し合った結果、使う予定がなく、固定資産税の負担もあったため、売却して、代金を分ける、換価分割に合意しました。
不動産会社が査定を行い、売却活動を進め、買主が決まりました。売却代金から諸費用を引き、持分に応じて、分けました。それぞれが、確定申告も行い、共有状態を解消できた例です。