反社会的勢力排除条項とは
反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項、暴排条項)とは、売買契約書に盛り込まれる、条項で契約の当事者が暴力団・暴力団員・暴力団関係者などの、反社会的勢力でないことを表明し、保証するものです。また、契約の履行にあたって、暴力的な要求や不当な要求をしないことも約束します。
違反した場合は相手方は何らの催告をすることなく、契約を解除でき、損害賠償を請求できる、と定められます。
条項が導入された背景
不動産取引は金額が大きく、反社会的勢力が資金源や拠点の確保のために利用することが問題となってきました。これを、受けて、全国の都道府県で暴力団排除条例が整備され、事業者には、契約書に暴力団排除条項を盛り込む努力義務が課されるようになりました。
国土交通省も不動産業界に対して、反社会的勢力との、関係遮断を求めており、現在では、ほぼ、すべての、不動産売買契約書にこの条項が含まれています。
条項の主な内容
- 表明・保証:自分が反社会的勢力でないこと、役員などが、反社会的勢力でないことを表明する
- 禁止行為:暴力的な要求、不当な要求、脅迫的な言動、信用毀損・業務妨害などを、行わない
- 契約の解除:相手方が条項に違反した場合、催告なしに、契約を解除できる
- 損害賠償・違約金:解除した場合の違約金や損害賠償の取り扱い
- 物件の使用制限:引き渡し後に物件を反社会的勢力の事務所などに、使用しない
最後の「物件の使用制限」は売主が買主による、物件の悪用を防ぐための、条項です。
売主・買主の責任
売主は自分が反社会的勢力でないことを表明します。また、買主が反社会的勢力であることが判明した場合は契約を解除できます。これにより、取引の安全が確保されます。
買主が法人の場合は法人の役員なども、対象となります。不動産会社は契約前に買主の情報を確認し、反社会的勢力との関係がないかを、チェックする体制を整えています。
契約書の確認ポイント
売買契約書に反社会的勢力排除条項が含まれているかを、確認しましょう。とくに、次の点に注意します。
- 表明・保証の対象(個人・法人・役員など)
- 解除の条件(催告の要否)
- 解除した場合の違約金の額と手付金の取り扱い
- 引き渡し後の物件の使用制限
条項の内容がわかりにくい場合は不動産会社に確認しましょう。
売主が気をつけること
- 自分が条項に違反しないことを確認する(通常は問題ない)
- 買主に不審な点(身元が不明瞭、契約を急かす、現金取引を求めるなど)がある場合は不動産会社に相談する
- 契約後に反社会的勢力の関与が判明した場合は条項にもとづいて、契約を解除できる
- 解除には、証拠が必要になる場合があるため、不動産会社や弁護士に相談する
不動産会社は契約前に買主の確認を行うのが、通常です。
モデルケース:条項が役立った例(イメージ)
Hさんは、土地を売却する契約を結びましたが、契約後に不動産会社から「買主が反社会的勢力と関係している疑いが、ある」と連絡を受けました。契約書には、反社会的勢力排除条項があったため、Hさんは、条項にもとづいて、契約を解除しました。
条項がなければ、解除が困難でトラブルが長引いた可能性があります。条項は取引の安全を守る、重要な仕組みです。
条項の具体的な文例と読み方のコツ
反社会的勢力排除条項の文例はおおむね、次のような、構成です。「売主及び買主は相手方に対し、自らが、暴力団、暴力団員、暴力団関係企業、総会屋などの、反社会的勢力に該当しないこと、また、将来にわたって、該当しないことを確約する」という表明・保証に続き、「相手方がこの確約に反する、ことが判明した場合は何らの催告を要せず、契約を解除できる」という、解除の規定が置かれます。
読み方のコツは「誰が」「何を」「いつまで」確約するのかを、確認することです。法人の場合は役員や実質的な支配者も対象になる点、また、契約時だけでなく、将来にわたる確約である点を押さえておくと、条項の意味が理解しやすくなります。