不動産買取のしくみと、選ぶときの注意点
不動産買取は、不動産会社が直接購入する売却方法です。しくみを理解して、納得のいく選択をしましょう。
不動産買取とは
不動産買取とは、不動産会社が、売主から直接、不動産を買い取る取引です。買主を探す期間がいらず、売却までのスピードが速いのが特徴です。
買い取った会社は、リフォームや解体、測量などを行い、再販売します。その費用と、利益、在庫リスクを織り込んで、買取価格を決めます。
買取のメリットとデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 短期間で現金化できる | 仲介より、価格が低くなる傾向がある |
| 仲介手数料がかからない | 買取に対応していない物件もある |
| 広告・内覧が不要で、周囲に知られにくい | 会社によって、査定額に差がある |
| 現況のまま売れる場合がある | 売主の都合に合わせた価格交渉が難しいこともある |
| 売却後の責任問題が少ない傾向 | 条件(残置物・測量など)の確認が必要 |
買取価格が決まるしくみ
買取価格は、次のような流れで算出されるのが一般的です。
- 再販売した場合の想定価格(相場)を見積もる
- 再販売までにかかる費用(リフォーム・解体・測量・登記・広告)を差し引く
- 保有期間中の税金・金利などのコストを差し引く
- 事業としての利益とリスクを差し引く
このため、同じ物件でも、会社によって、買取価格が異なります。また、一般に買取価格は、仲介価格の60〜70%前後になることが多いといわれています。
買取会社を選ぶときの注意点
宅建業の免許と実績を確認する
免許番号と、買取の実績を確認します。
価格の根拠を説明してもらう
なぜその金額なのか、内訳が説明できる会社を選びます。
複数社の査定を比べる
1社だけでは、価格が適正か判断できません。
条件を書面で確認する
残置物の扱い、境界・測量、引き渡し時期、費用の負担などを、書面で確認します。
契約を急がせないか見る
十分な説明と、検討の時間を与えてくれる会社を選びます。
買取と仲介の違いを、手取りで比べる
買取は、仲介より価格が低くなる傾向があります。しかし、価格だけで比べると、判断を誤ることがあります。売却にかかる総合的な負担、つまり「手取り」と「期間」「手間」で、比べてみましょう。
仲介の場合は、売れるまでの間、固定資産税や管理費、光熱費がかかります。内覧の対応、片付け、必要に応じた測量・修繕の費用も、売主の負担になる場合があります。さらに、成約すれば、仲介手数料も発生します。
買取の場合は、これらの費用や手間の多くが不要になります。売却の時期が早く確定することで、次の生活の計画も立てやすくなります。ただし、買取価格が、相場から大きく離れていないか、複数社の査定で、確認しておくことが大切です。
買取が向いている物件の特徴
- 調整区域・農地・再建築不可など、一般の買主が付きにくい物件
- 古い家・家財が残った家など、売却前の準備が負担になる物件
- 共有・相続など、権利関係を早く整理したい物件
- 売却の期限が決まっている物件
- 広告を出さずに、売却したい物件
買取を選ぶ判断の例(イメージ)
たとえば、相続した古い空き家があり、固定資産税と管理の負担が続いている方がいるとします。仲介で売り出すと、片付け・測量・内覧対応が必要で、売れるまでの数か月間、費用と手間がかかり続けます。
この場合、買取の価格が、仲介の想定価格より1〜3割低くても、片付けの費用・手間・期間を考慮すると、手取りの差は小さくなるかもしれません。そして何より、「早く手放せて、管理の負担がなくなる」安心感も、判断材料のひとつです。
買取を依頼する前のチェックリスト
- 仲介の査定も、あわせて取った
- 買取価格の根拠を、説明してもらった
- 残置物・測量・境界の扱いを、確認した
- 手付金・決済日・引き渡し日を、確認した
- 契約書の内容を、十分に確認した
- 費用の負担(登記費用など)を、確認した
買取でよくある失敗
1社だけの査定で、決めてしまう
価格や条件の妥当性が、判断できません。
価格だけを見て、条件を確認しない
残置物・測量・費用の負担も、合わせて確認しましょう。
契約を急かされて、焦って決める
十分な検討の時間を取れる会社を選びます。
口約束を信じる
取り決めは、書面で確認します。
仲介の見通しを、考えずに決める
仲介との比較で、判断しましょう。
手取りで比較しない
かかる費用・期間を含めて、手取りで比べます。
買取の契約から決済までの流れ
条件のご提示・合意
価格・引き渡し時期・特約を、書面で確認します。
売買契約の締結
重要事項の説明を受け、契約を結びます。手付金を受け取る場合もあります。
必要書類の準備
権利証・印鑑証明書・身分証などを、用意します。
決済・引き渡し
代金の支払いと同時に、登記と、鍵の引き渡しを行います。